アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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「三菱自動車」工場で労災隠し発覚ーーでも、三菱自動車が責任を問われないカラクリ

 東証1部、国内7位の自動車メーカー「三菱自動車」(益子修社長=冒頭写真。東京都港区)の岡崎工場での労災隠しが明らかになった。
日系ブラジル人男性O氏(31)は今年6月、三菱自動車の岡崎工場(愛知県岡崎市)で作業中、製造中の三菱自動車が肩に乗り上げ、脱臼で全治4カ月の重傷を負った。
労災が起きた場合、労働基準監督署に届けないといけない。だが、この件は3カ月以上伏せられ、O氏が一般労組「名古屋ふれあいユニオン」(愛知県名古屋市)に駆け込み、同労組が介入したことで、ようやく労災隠しが発覚した。
しかも、O氏は社会保険に加入させてもらっておらず、事故発生時、「国保でやれ」、さらに「外でケガしたと言ってくれ」と要請され、O氏は病院では仕方なく「坂で転んだ」と説明。治療費はほとんど自費だし、休業手当ももらっていないという。
何ともひどい話だが、この件につき、三菱自動車広報部に取材したところ、「ユニオンから話し合いを求められたのは事実だが、私たちは話し合いする立場にない」と拒否している。
もっとも、確かに法的には三菱の言い分の通り。なぜなら、O氏は三菱自動車の社員ではなく、派遣会社社員だから。社会保険に加盟させなければならないのは派遣会社だし、労災の届け出の責任も同様だ。

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