東京証券取引所と証券取引等監視委員会は10月29日、今年夏以降の大型の公募増資につき、増資発表前のインサイダー情報に基づいて空売りを、国内外のヘッジファンドが行っている可能性があるとして、その調査を進めていることを明らかにした。
最近の空売りといえば、公募増資ではないものの、思い出されるのが米モルガン・スタンレーと、ゴールドマン・サックスの武富士株の空売りだ。
武富士は会社更生法を9月28日に申請新生したが、「空売り残高情報報告書」(冒頭写真)によれば、モルガンは9月21日、武富士の発行済株式の1・56%(公表は24日)、ゴールドマンは9月16日に0・99%(公表は21日)を空売りしたことがわかる。
その数日前には米シティグループ証券が武富士株買い推奨のレポートを出していたというから、その分、会社更生法申請後との株価幅は大きくなり、両社が買い戻した際の利幅は大きくなったと思われる。