日本プレスセンタービル(下写真=「TOKYOビル景」より)ーー国会にほど近く、わが国を代表するマスコミが拠点とし、海外要人の記者会見の場にもなっている。また、入居するにはしかるべきマスコミの推薦が必要。そんなわけで、同ビルに事務所を構えることはたいへんなステータスなのだ。
ところが、冒頭新聞記事(「読売」01年2月24日)のように、過去4億円ともいわれる詐欺を働きながら、同ビルに事務所を構える詐欺師がいるという。
この新幹線回数券詐欺事件、最初の約450万円分は現金で支払った上、名古屋の衆議院議員の後援会の名を出して信用させ、先付小切手を渡して騙していたという。
プレスセンタービル事務所に取材すると、「神本」なる者(以下に、2枚の名刺転載)は現在も過去もいないという。
本人に連絡すると、当初は最近はプレスセンターは使っていないととぼけていたが、又借りも届け出さないといけない規則になっていると伝えると、あっさり「違法に使っていた」と認めた。
だが、前に使っていた名刺の株式会社は登記さえされていない。むろん、同ビル8階を訪ねても事務所表示は一切出ていない。真相は、プレスセンターにいるとのまったくのデッチ上げの名刺を使っていただけのようなのだ。しかも、前述のように会社登記がないと知り合いが注意すると、使用を中止するのではなく、個人名に名刺を替えてなおも使い続ける大胆ぶり。
そんな男が、5年前の大震災後は、福島復興をネタに詐欺を働き、しかもそこに安倍内閣を支える複数の官僚が協力しているというのだ。