アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

政策ミスで、わが国沿岸至る所に野ざらしの船舶累々

わが国の港のあちこちで、近年、野ざらしの船が増えている。 借金返済ができない船舶事業者に対し、回収をあせる債権者が破産申立を乱発しているからだ。 そして、その背景を追うと、わが国政府の政策ミスが浮かび上がって来る。 わが国は島国であることから、いまも内航海運が国内貨物輸送の4割以上を占めている。 しかし、事業者の大半は中小零細企業。そのため、わが国政府は世界でも希な「共有建造方式」を採用して来た。すなわち、事業者と政府側が費用を分担して船を建造し、竣工後も事業者と政府側の共有としつつも事業者に船を使用させる方式だ。 その際、政府側は融資額に応じた担保設定を船舶にしないし、その金利もひじょうに低い。そのため、民間金融機関から借りるより事業者にとって有利な融資なので、わが国の内航船舶の半分以上はこの方式で建造されているという。 ところが近年、船舶の運賃もどんどん競争等で安くなり、債務を返済できない事業者が続出している。 そのため、政府側は自分たちの責任を問われるのを恐れ、容赦構わず、事業者に対し破産申し立てを乱発しているというのだ。 近年のこの方式による竣工船(貨物)を見ると、92年が140隻、総トン数約17万7000?だったのが、2002年は14隻、約5万?。この大きな差は不景気のせいだけではないという。 さて、この政府側機関は鉄道建設・運輸施設整備支援機構という独立行政法人。 共有建設方式の際の財源は、いわゆる財投を利用している。 ところが、その負債は増え続け、すでに1000億円を超えているという。 同法人は03年10月に設立された。それ以前の運輸施設設備事業団の時代からこうした問題点は指摘されていたのだが、ついに改善は行われなかったツケのようだ。 今後、できれば具体的に野ざらしの現場をレポートし、破産=船の処分とすんなりいかない船舶分野故の特殊な権利関係についてもお伝えしたい。…

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