●幹部5名中4名が旧建設省からの天下り
本紙は前回、基礎ぐいの工法の大臣認定のいい加減さについての証言を紹介した。
大臣認定のための耐力試験のデータが偽造というのだから、お話にならない。
こうしたデタラメをやる基礎ぐい業者も業者だが、しかし、そもそも耐力は個々の現場の土壌によって大きく異なるにも拘わらず、工法そのものを大臣認定とし、その認定さえ取れば、後は実質、手抜きをやっても基礎ぐいを打ち放題とした旧建設省(国土交通省)の姿勢こそがもっと問題ともいえる。
その大臣認定を与える組織は、「日本建築センター」(東京都港区)という財団法人。
理事長の立石真氏は旧建設省住宅局長から住宅・都市整備公団副総裁を経てさらに天下って来た。
旧建設省の天下りは立石理事長だけではない。
常務理事の山中保教氏も旧建設省から愛知県建築部長を経てさらに天下り。加えて三村由夫理事、吉田正良両理事も旧建設庁出身で、この財団法人の幹部である理事長1名、常務理事1名、常勤理事3名の計5名の内実に4名が旧建設庁からの天下りなのだ。
「この財団法人は1965年、旧建設省によって認可された。大臣認定というが、実はキチンとした法的根拠があるわけではない。設立年に、当時の建設省住宅局建設指導課長から全国の地方自治体の建設主務部長宛に出された通達が唯一の根拠。これにより、大臣認定を35年も独占して来た(2000年の建築基準法改正で独占が崩れるが、この説明は後日する)。そして建設業界を牛耳り、認定のための手数料名目で、天下り先で甘い汁を吸い上げて来た」(事情通)