「コマンドエヌ」(大阪市北区)という企業をご記憶だろうか。
昨年2月に設立された資本金999万円の会社だが、その約4カ月後、「英秀予備校」(4678。東証1部)の大量保有(5・07%)で登場。それから約1カ月で英秀株は3倍以上に急騰した。また、同年9月には「エスケイジャパン」(7608。東証1部。*下のチャート図参考のこと)の大量保有(9・61%)で登場。やはり、約1カ月ほどで3倍以上に。そんなことからコマンドエヌが買った銘柄は大幅高になるとマーケット関係者から注目されるようになり、“コマンドエヌ銘柄”なんて呼ばれるようになった。
このコマンドエヌの代表は寒川愛氏という女性だが、同社のオーナーは別におり、藤本貴士氏(35。冒頭写真)という。
コマンドエヌが秀英予備校を仕掛けた昨年6月、並行して「MEDIA INDEX」(大阪市淀川区)なる会社も秀英株の大量保有(5・08%)で登場するが、このMEDIA社社長の糸長未弥子氏はコマンドエヌ設立時の代表。そして、本紙への告発者は、この時期に藤本氏の依頼を受け計3億円をMEDIA社に送金している。また、糸長氏はシンガポールのシステム開発会社社長を兼務しているが、藤本氏はそこのCOOだ。
この藤本氏、秀英予備校より前に、光通信の重田康光氏の下で手伝っているとして「ユニバーサルソリューションシステムズ」(現INEST。3390。JQ)を手始めに、「フューチャーベンチャーキャピタル」(8462。JQ)株購入名目でも資金を集めている。
そして、投資を受けたら株価が上がっても清算せず、その元本と利益含め、さらに別の株に投資させて返済には応じない。
しかしながら、株価を上げるより、高値で売り逃げる方が何倍も大変だ。昨年10月に入ってから藤本氏はこれまでの順調だとして余裕の態度から豹変、「カネが足りない」と泣きながら追加融資を求めた挙げ句、11月6日から債権者(投資家)から完全に音信不通に。