石巻市(宮城県)議会に“異端児”が戻って来た。石巻市を襲った東日本大震災で破壊された道路や住宅建設などのインフラ整備に投じられた復興予算(1兆2000億円)を巡る様々な不正疑惑を追及してきた黒須光男氏(冒頭写真)のことだ。
同氏は市議時代に当時の亀山紘市長(横左側写真)、続く現・齋藤正美市長(横右側写真)に官製談合、水増し工事、架空工事などなど復興マネーの闇について問い質し、内部文書の開示などを再三求めてきた。
その後、黒須氏は2022年の市議選で落選。しかし、一市民として不正追及を続けて来た。そして、その内容につき、本紙は今年2月から3月にかけ4回に渡り報じていた。その黒須氏が、この5月24日投票の市議選で再度、当選したのである。
「復興住宅建設を巡る不正疑惑などについて、市側は沈黙を続けるだけで、なんら解決していない。すでにこの問題は終了した、というムード。黒須氏はこれまで以上に踏み込んで欲しい。
なにしろ、彼のキャッチは“汚れた市政を正す”。黒須氏の復帰に、市長をはじめ一部の市幹部は戦々恐々としているのでは」(黒須氏の支持者)
こんな声が少なくなく、今後の同氏の議員活動が注目されるなか、さっそく“黒須砲”が炸裂した。昨年の6月に町内会で小分けした殺虫剤を誤飲した男性が死亡(その後、幼児が救急搬送される)した事案について、6月の臨時会で、黒須氏は緊急質問を展開した。
同氏は、「市は死亡事故を公表せず、保健所への報告もしなかった。そもそも薬剤をペットボトルに小分けすることは、医薬品医療機器等法に抵触している」と指摘して危機管理の欠如の現れ、と市の体質を非難した。
これに対して、齋藤市長は「周知徹底が図られていなかった。市民が亡くなったことは重く受け止め、社会的道義的責任を感じている」と謝罪するほかなかったのだった。
黒須氏は次に動く。それを述べる前に「裁判官訴追請求」という一般には余りなじみのない用語について説明しなければならない。
これは裁判官弾劾法に基づき、裁判官としての職務遂行に重大な疑義があるとして、裁判官の訴追の要否についての審査を求める手段。
黒須氏は裁判官訴追委員会(永田町衆議院第二議員会館内)にこの裁判官訴追請求を提出、委員会は6月12日付けで受理した。訴追請求の対象裁判官は仙台地方裁判所の裁判官3名。
訴追委員会は衆参の国会議員それぞれ10名、計20名の委員が判断の妥当性を審査するが、「裁判官訴追請求は一年間で1000件前後の提出(2025年は880件)があり、結論が出るまで半年から1年を要します」(訴追委員会事務局) という。



