ザ・ドリフターズの仲本工事(享年81)の妻で歌手の三代純歌 (58)が、『週刊新潮』と『女性自身』の発行元(新潮社、光文社)を相手取った名誉毀損訴訟の一審判決が3月19日、25日と立て続けにあり、東京地裁は名誉毀損を認め、『週刊新潮』には110万円、『女性自身』には88万円の支払いを命じた。
三代純歌は『週刊女性』(主婦と生活社)も提訴。こちらに関しては、すでに昨年12月12日に一審判決があったが、彼女の請求を一切認めなかった(彼女は控訴)。
それを思えば2勝1敗となったわけで、彼女は少しは留飲を下げたことだろう。
本紙では、『週刊女性』の一審判決の際も判決文を入手し、私見を述べた。
今回、『週刊新潮』『女性自身』の一審判決の報道が遅くなったのも、この2件の判決文入手に手間取ったためだ。
それを見て思ったことは、結論をまず先に一言いえば、裁判所はこんなに芸能マスコミ報道には大甘だったのかという驚きだ。
というのも、仲本が交通事故死した直後、『週刊新潮』は3回、『女性自身』は4回特集記事を組み、彼女のことをいろんな点を上げて「モンスター妻」、「鬼妻」といって書き立てた。
そのため、三代は『週刊新潮』『女性自身』共に14カ所を名誉毀損に当たると主張したが、『週刊新潮』で名誉毀損を認めたのは、2回目の記事で、『週刊女性』記事を引用した戒名料の一部を彼女が密かに自分のものにしようと密談していたとする1カ所(事実の適時で、裏付けがない)と、3つの記事すべてに登場する「モンスター妻」の表現(意見ないし論評だが、悪意的過ぎる)だけ。『女性自身』にしても、3回目の記事での80歳の仲本を3000万円の生命保険に加入させようと策謀していたとするただ1カ所だけ。
結果、三代は『週刊新潮』については2200万円、『女性自身』には4400万円を請求していたが、前述のような少額の支払い命令となった。このため、三代は1審判決を不服として3月31日に控訴した。
ところで、本紙が今回判決で最も注目していたのは、仲本が交通事故で瀕死の状態で担ぎ込まれた病院で、駆け付けた加藤茶が、三代に対し「仲本がこうなったのはお前のせいだからな!」旨、激高して述べたという箇所が名誉毀損と認められるかどうかだった。
というのも、三代はそんな事実はないと完全否定。そして三誌共、加藤茶には事実確認をしておらず伝聞に過ぎない。
ところが、先に判決が出た『週刊女性』では、「関係者等の発言を引用しているにすぎないことが明らかな形で記載されていて、それ以上の客観的な裏付け等も摘示されていないことからすれば」読者に事実だとは思われないし、仲本の死亡や本件事故の直接的な原因、三代の犯罪事実を摘示したものでもなく、加藤茶の批判的見解を述べているにすぎないから名誉毀損に当たらないと、真実性を検討せず、いわば門前払いで、週刊女性側を勝たしていたからだ。
しかし、三誌共にこの件で大見出し、さらに表紙や広告でも使われているから、中身を読むことなく、仲本の死に三代が何らかの関与をしていると思われてもおかしくない。
にも拘わらず、記事内容を見れば三代が関係ないとわかるとの判決は、なぜそこまで週刊誌側の肩を持つの?と、週刊誌出身の本紙・山岡さえ不思議に思うほどだ。
そして、この点についての『女性自身』の判決も、これまた真実性については検討せず、「ある者が他者から叱責を受けたという事実それ自体は、直ちに当該人物の社会的評価を低下させるとはいえない」、「加藤茶が、原告に対し、仲本の交通事故死についてやり場のない感情をぶつけたものにすぎない」から、名誉毀損に当たらないというから驚きだ。
これに対し、『週刊新潮』の判決はまったく異なる。
何と、事実の適示(名誉毀損になり得る)だが、少なくとも真実相当性を認めているのだ。どういうことか?



