●記者クラブ側と話し合えばいい?
報道の在り方を考える上で極めて重要との判断から、この間、ずっとウォッチし続けている「記者クラブ制度を考える訴訟(原告は友人で、フリーライター仲間の寺澤有氏)の公判が昨20日午前11時より、東京地裁であり、この日は本紙・山岡が原告・寺澤氏側の証人として出廷し、証言した。
既報のように、本紙・山岡は、寺澤氏が報道する上で不利益を被ったと具体的に上げている2つのケースのうちの1つ、武富士恐喝未遂事件における大塚万吉氏(服役中。ただし、本紙・山岡は極めて作られた事件と考えている)の初公判で、記者クラブ用席が空いていたので座ったところ、寺澤氏と共に排除された関係にある。そこで、この日はその事実関係を中心に証言した次第。
また、原告側弁護士から、武富士盗聴事件で、本紙・山岡は武井保雄・武富士前会長を刑事告訴した際、記者会見を行い、それには国内主要メディアはすべて出席したが、報道したのは寺澤氏が当時、連載していた『週刊プレイボーイ』における武富士関連記事においてだけだったと証言、大手メディアは警察発表があるまで基本的に報じず、それゆえ、記者クラブに属さない雑誌社やそこで書くフリーライターの存在意義は大きいのに、記者席が記者クラブ所属者記者だけで独占され、我々フリー記者が一方的に排除され、また判決要旨文の交付も記者クラブ所属記者だけにされるのもおかしいと主張した。
被告側(国)の反対尋問と併せ約30分の証言後、裁判長(奥田隆文氏)からいくつか質問があった。
そのなかで、記者クラブ所属社の記者と、傍聴席確保、判決要旨文交付の件で、話し合いを持ったことはないかと聞かれた。そこで本紙・山岡は、所属記者と話し合いを持っても話にならないから「ない」と答えたところ、裁判長は先に結論を出すのはいかがなものか、と感じられる発言をした。また、同じ報道に携わる“仲間”なのだからといった発言もあった。
これに対し、本紙・山岡は、彼らは当局発表情報を主に流しており、これに対し当方は主に独自の調査報道をしており、これには個人的リスクも負っており(訴訟提起、脅迫、今回の放火等も含む)、残念ながら“仲間”とは言いがたいと主張しておいた。
当方の答弁をていねいに聞いてくれた裁判長だが、果たしてフリーライターという存在をどの程度理解されているのか、少々不安を隠せない質問であった。