歴とした現役のそれも法学部の教授が、元組員、地面師事件で複数の逮捕歴がある者、さらに汚職疑惑も囁かれていた元暴力団担当刑事などに不動産トラブルに関連する処理を依頼し、不義理をして、私益を肥やし、何事もなかったかのようにシレッとして教鞭をとっているとしたら、そんなことが許されるのだろうか?
しかも、そのトラブルのあった不動産は、冒頭に掲げたように、東京周辺に住む者なら誰でも知っているような巨大な有名物件なのだ。
そう、JR渋谷駅のハチ公側のスクランブル交差点を渡ってすぐ、ファイヤー通りと公園通りに別れる二股のところに建つ「渋谷モディ」。
この大学教授S氏は、相続でこの地下1階地上10階建ビルの土地は約3割、建物は約6割を個人と彼が代表を務める不動産会社で所有していた。
ところが2023年6月、このビルを担保に2000万円借りるのだが、その貸し手は普通ではなかったようで、実に3億円もの巨額根抵当権仮登記を付けられた上、競売されるとの話が。
そこでS教授が人伝に頼ったのが元暴力団組員。お陰で、同年11月にはこの仮登記は抹消され、その後、転売によりS教授側には約4億円の売却益が入ったという。
所有権の割合に比べて金額が少ないのは、このS教授、その前に他のところからも総額9億円ほどの借金をしており、その分が割り引かれたからだ。
大学教授が「元」とはいえ、組員に頼ること自体、猶更問題と思うが、この教授、さらに問題と思うのは、その元組員に約束していた謝礼を渋って、その交渉を今度は前述のように地面師詐欺事件で複数の逮捕歴がある者と、疑惑の元警官に頼んだことだ。



