アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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元「フライデー」名物記者・新藤厚(右翼)の続・貧困記 第14回「大暑」

*以前の記事はこちらをご覧下さい(ココをクリック)。
新藤厚 1951年生まれ(73歳)
1971年 週刊誌記者
79年~84年 テレビレポーター (テレビ朝日・TBS)
84年~99年 「フライデー」記者
99年~2008年 信州で民宿経営
2013年より生活保護開始(24年後半より脱出)

連日35度越えの、うだるような酷暑がつづいている。
更科の里が多少とも救われるのは、最低気温が20度近くまで下がることだ。
まだしも涼しい信州の夏の朝である。
雀よりも早起きの老人はその時間、千曲川沿いのサイクリングロードをクロスバイクで20キロぐらい懸命にペダルを漕いでいる。
せっかく高価なバイクを買ったので、使わないと損だという貧乏人根性である。
透析のない日は、日中気温が上がってくると近くの中央公園の市民プールに緊急避難する。
300円の入場料を払い、いかにも孫を連れてきたジイジのような顔をして流れるプールをせっせと歩いている。
水中歩行は結構キツい運動である。1キロも歩くとヘトヘトになる。
流れに棹差すだけでは面白くないと必死で逆走していると、監視員のアンチャンに「おじいさん、反対に歩いてね」とやさしく注意される。
この年まで迂闊にも気がつかなかったが、夏の平日のプールは老人のいい遊び場だった。涼しくて、かつ運動もできる。
本当は子供に交じってウォータースライダーも滑ってみたいのだが、年甲斐があるのでさすがに遠慮している。

それにしてもここまで気候変動が急激な異常値を示しているのに、いまいち温暖化対策の声が高まらないのは面妖である。
グレタ・ツェンベリや斎藤幸平の運動が広まらないことに奇異を感じている。
トランプ・アメリカが「気候変動陰謀論」を唱え温暖化対策の枠組みを抜けた途端、この国も従属国らしく地球温暖化などないことにして熱中症対策だけをうるさくアナウンスしている。
どの地方でもこの20年間の7月、8月の平均気温の上昇をみてみればいい。
あと10年もすれば、かつて極東に存在した温帯モンスーンの豊葦原の瑞穂の国は、ヒトの生存条件を超えた環境になるのではないか。
日本人はあの昭和戦前の東北の日照りの夏、娘を売らざるを得なかった大飢饉を忘れたのだろうか。
まあ年寄りはそれまでに死んじゃうからいいんだけどね。

夏の参院選も終わった。
選挙運動期間中、一台の宣伝カーも見ることがなかったのは片田舎のよいところである。
それでふと思ったのは、わが生涯で選挙というものに一度も参加したことがなかったというある種の感慨である。
地区の部落長をしているときに投票所の立会人をやったことはある。
アルバイトで期日前投票所の案内係をやったこともあった。
それでも投票行動というものはバカバカしいので、すべて放棄した。
若い頃からアナキストを自称していたから、当然といえば当然なのである。
この国のまつりごとを付託したい政党も政治家もいなかったから仕方がない。
もし「秩父困民党」のような革命党があったら、命を賭して参加したかもしれない。
若い頃から恥ずかしながら時代錯誤の「制限選挙」論者であった。
むかしから「中卒が選挙なんかに行ったら天下国家に申しわけが立たない」と放言していた。
うるさく難じるヤツには「内緒だけど公民権停止中なんだよ」というとだいたい黙った。
やはり民主主義の選挙をするなら「せめて新聞ぐらい読んでる連中でやってくれよ」というのが偽らざる心境である。
三権分立と聞いて「えーと千葉県と埼玉県と…」というバカには、申し訳ないが国家のために遠慮してもらわないといけない。
老人は「時事を論ぜず」だから余計なことはいいたくないが、いつの間にか右も左もポピュリズム政党ばかりになってしまったではないか。まるで「愚民国家」のようではないか。
知らぬ間に参政党なんて「極右政党」もできていた。
神谷宗幣という代表のいうことを聞いていると、「ネトウヨ」と「熱血教師」をミックスしたような言説で、聞いている方が恥ずかしくなってくる。
今風にいうなら典型的な「ヤンキー」という人種である。

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