＜お知らせ＞ドキュメンタリー映画『黒川の女たち』全国公開中

　「なかったことにはできない」というキャッチフレーズのドキュメンタリー映画『黒川の女たち』の全国公開が７月12日から始まった。
かつて、中国東北部にデッチアゲられた日本の傀儡国家「満州国」。その地に、不況に喘ぐ農村から国策として「満蒙開拓団」が送り出されたが、日本の敗戦とともに現地に置き去りにされ、その多くが生死を彷徨った悲劇は広く知られている。
だが、ソ連軍に助けを求め、その見返りに未婚の女性15人を差し出した黒川開拓団（岐阜県。約650人）のことは、10年前にその被害者たちが実態を語るまで、知られることはなかった。
このドキュメンタリーは、長く沈黙を強いられた彼女たちが語ったソ連軍“性接待”の実名による告発記録である。そして、性暴力を被害者が告発することがいかに難しいかを観る者に考えさせる映画でもある。「満州にいる時より帰国してからの方が悲しかった」という被害者の証言が重い。
監督はテレビ朝日プロデューサーの松原文枝。語りは大竹しのぶ。詳細はホームページをご覧ください。