アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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あのマルチ商法「ライフコンシェルジュ」代表が、35億円横領されたと元幹部を刑事告訴へ

「ライフコンシェルジュ」(東京都文京区)という連鎖販売取引(マルチ商法)の会社につき、兵庫県立消費者総合センターが同県内での6カ月の取引等停止を命じたのは2022年8月のことだった(冒頭写真=「神戸新聞」22年8月26日)。
同社は「暮らしに関するお悩み・ご依頼」の解決を電話1本でしてくれるサービスを謳っていた。
1口10万円出して入会すれば、急な出張の際にも格安ホテルを探してくれる、評判のいいお店を教えてくれるなどなど、スマホが私設秘書のような役割をする。それだけでなく、今から入会し新たに入会させればその人数などに応じ月数十万円の配当があるなどと、若者を中心に勧誘していたという。
連鎖販売で会員を募る場合、リスクが高いことから、目的を告げない勧誘、連載販売取引であることを明記した書面を交付しない、断定的判断を謳うことなどは法律で禁止されている。
ところが同社の場合、「ちょっと話がある」と呼び出す、書面不交付、「何もしなくても儲かる」などと言って勧誘し、1口10万円最大5口まで入れるということで最高50万円払わされた者もいた。
同社を巡る消費者相談は2018~21年度の4年間で全国で計1315件。内、兵庫県では最多の188件あったという。
なお、この兵庫県の行政処分を契機に同社の悪名はマスコミなどを通じて知れ渡り、その後、経営を再開することなく同社は実質、経営破たんしている。
ところが、兵庫県から自身も代表者として6カ月の業務禁止命令を名指しされ受けた岡本公功氏(50歳。右下写真)は、こう語る。
「連鎖販売は否定的な見方も多くあると思いますが、一方で、良いサービスを届けて共に利益を出すという夢をかなえることも可能です。ただし、そのためには法律で禁じられたことをやる不良会員は出来るだけ入れないことが重要です。そのため、僕自身が全国を周り営業し、違法行為をしないことを口を酸っぱくして説明しました。むろん、連鎖販売取引の書面も作成しキチンと配布するように指導していました。
ところが、私が営業に専念し、会社印と銀行印を信頼して経理担当の沖田直規に預けたところ、彼や同じ経理担当の松山洋平・雅洋兄弟(3人の顔写真を以下に掲載)などが結託し、15年末から業務上横領をしていたのです。それに気づいたのが兵庫県の業務停止の直前。『ファイブスターコンシェルジュ』(東京都台東区)というまったく同じサービス、システムの会社が設立されていることを知ったのが契機です。彼らは、うちの会員をファイブスターの方に奪うため、意図的に一部会員と結託し違法行為をやってうちを潰そうとしたのだと思います」
ライフコンシェルジュは2014年9月、ITオタクで実業家の岡本氏が設立。独自の連鎖販売のプログラムやシステムも岡本氏自らが開発。翌15年から本格的に稼働し、岡本氏によれば約6年で会員数約4万3000名、総売上額は約160億円、その間の会員への還元金額約100億円。ところが、蓋を開けてみると約35億円が横領され、将来の宣伝広告費として内部留保していたカネは兵庫県の業務停止を契機とした解約金などに消え、ネット上などで「詐欺」、「逮捕説」も飛び交うなか、岡本氏は資金もそうだが、社会的信用も失墜し、すべてを失ったという。
だが、ようやくリベンジへの用意が整ったと言う。

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