北野武監督の映画「その男、凶暴につき」ではないが、「この男、詐欺師につき」、これ以上被害者を出さないためにも、本紙では適時、私的指名手配を行っている。
松尾将吾(28)はその1人で、2021年11月に報じたところ、22年4月に大阪府警に逮捕されたことがわかったので、同年5月に追加報道していた。
逮捕の少し前には、福岡市の方でタクシーに乗車し下りる際、ドアに足が挟まり、購入靴が傷ついたといって金銭を要求する「挟まれた屋」として、その犯行時の映像を、地元のテレビ西日本が独占報道し一躍有名に。その後、ほどなく約220万円分のウイスキー(84本)を騙し取った容疑で大阪府警に逮捕の報道が。
逮捕は複数のマスコミで報じられたが、しかし、そんなセコイ犯行故、微罪で済んだのではないかと思っていた。少なくとも新聞、通信社では、その後の追加報道はなかったからだ。
ところが、今回、逮捕前にやはり詐欺被害に会ったという会社社長が本紙に連絡して来て、すでに実刑判決を受け、服役中であることがわかった。そこで調べて見たところ、24年2月、懲役6年の実刑判決を受けていたことがわかった。
判決によると、松尾は2020年8~9月にかけ、「仕入れ」と称して大阪市内の酒店から騙し取った高級ウイスキーは1500本以上、被害額は総額約2500万円。また、福岡市内でも高級ウイスキーや「エルメス」のバックなど高級ブランド品を「転売したら利益が出る」などと言って購入代金計名目で約316万円を騙し取っていたという。
だが、罪に問われなかった余罪は多数あるようで、本紙に告発して来た大阪市内の前出・会社社長A氏も警察に訴えたものの、自分の分は事件化しなかったという。