●違法な「仕切り拒否」を確認のため 本紙は過去、「グローバリー業務停止最長33日でも、問われない金メダリストの宣伝効果」なるタイトル記事等で、先物大手「グローバリー」(名証2部上場)の問題を報じている。 同社は、規定の口座から資金を出すと監督官庁に顧客とのトラブルがバレることから、顧客名義で自己売買を行い、その差益をこっそり顧客への解決金に充てるなどしていたことから、経済産業省と農水省から今年5月10日から33日(営業ベース)の取引停止処分を受けていた。 その停止期限がやっと6月23日で切れると思っていたら、6月21日、両省はさらに60日の営業日に渡り、取引中止を延長する処分を下した。 理由はHPで述べらているように、もっとも違法性が高いといっていい「仕切り拒否」(=客に資金が続く限り取引を止めさせないこと)を確認したためだ。 同社は、以前から同業者の中でも、極めて悪質な行為を多数行っているとも指摘されており、ここまで営業停止期間が長いのは極めて異例。監督官庁としては、もはや同社は市場から退場してもらっていいと考えているのかも知れない。 ●野口選手自身のためにも、今回を契機に縁切りを決断しては こうしたなか、再び問われのが、未だに同社の“広告塔”を務めている女子マラソン、アテネ五輪金メダリスト・野口みずき選手の去就だ。 日本陸連は、今回の同社追加処分に先立つ6月17日、野口選手を札幌国際ハーフマラソン(7月3日開催)に招待選手として招くことを発表している。彼女が本格的なロードレースに出場するのは、アテネ五輪後初となる。 だが、グローバリーの山田保弘社長は1回目処分を受けての今年4月 28日の決算発表席上、野口選手が所属する同社陸上部について、「活動自粛は今は考えていないが、今後、検討させていただくことになる」と述べ、場合によっては活動を自粛する考えを示していた。追加処分が、その契機となることはないのか。 いずれにしろ、こんな会社に所属することは、社会的責任はもちろん、彼女自身の今後にとっても好ましくないだろう。これを機会に、むしろ同社とすっぱり縁切りした方がいいのではないか。…