アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

裁判官出身市長、公選法違反容疑に答えず

●今年4月、山陽小野田市(山口県)の市長に当選 公選法違反(買収)容疑は数あれど、そうまでして当選させようとした候補者が「裁判官出身」というのはひじょうにめずらしいだろう。 当選した白井博文氏(67)は、裁判官歴35年というまさにその道のプロ。  九州大学を卒業し、68年裁判官に任官。翌年、JR博多駅において三派全学連約300名の部隊に機動隊が暴行したとする特別公務員暴行陵虐事件関し、その事実を検証するため、提出を拒むマスコミに対し命令を求めた「博多駅フィルム提出命令事件」、阪神大震災による地震免責を求めて自宅火災の保険金支払いを拒む生保の言い分を退けたり、医療過誤事件でも被害者側の言い分をよく聞くなど、裁判官としての評価はかなり高かったようだ。大阪地裁、高裁で判事を務めた。02年退官。その後、弁護士事務所を開設、摂南大学(大阪府寝屋川市)の法学部教授も務めていた。 そして、町村合併にともなう今回選挙では、旧小野田市市議18年の実績と旧市長の後継をアピールした対抗馬に、ちょうど倍の約2万3000票を集めて当選。有権者は行政の継続より、刷新を望んだようだ。 ところが、6月になって旧小野田市商工会議所会頭が家族が経営するレストランに有権者を招待し、白井氏への投票を呼びかけていたことが発覚。しかも、白井氏と後援会長がその場に出席していたことも判明。会頭は公選法(買収)違反で、山口県警がすでに書類送検している。 これに対し、白井市長はこの間、一切沈黙。市議会が求めた「全員協議会」への出席も拒否した。 「事実関係がはっきりするまで答えられない」というのだが、公約では、「マイナス情報も積極的に公開する」と謳い、しかも裁判官だったことから、批判の声が起きている。 そもそも、法曹界(主に裁判所)では裁判官出身者がドロドロした政治の世界に転身することは、裁判官の信頼を貶めかねないとして批判が根強いようだ。そして白井氏については、市長当選早々、早くも「元高裁判事の信用を失った」との声が出ている。…

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