アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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パシコン・荒木民生代表の疑惑(9) 新たにODA使途不明金4件発生で、国際協力機構が指名停止9カ月の追加処分

●6月2日『読売新聞』が報道  パシコン関係者の間では、「内部告発文書」の登場に加え、さらに動揺が拡がっている。 無理もない。 6月1日、パシコングループの国際部門を担当する「パシフィックコンサルタンツインターナショナル」(PCI)の政府開発援助(ODA)事業に関し、すでに発覚しているコスタリカ向けODA事業以外にも、同国を含む4カ国でも同様の不正が判明、結果、国際協力機構(JICA)は、これまでの計8カ月(今年6月20日までだった)に加え、新たに9カ月の指名停止の追加処分を決定したからだ。 冒頭に掲げたのは、このことを社会面で報じた『読売新聞』記事コピーである。 同報道によれば、新たに不正が判明したのは、すでに発覚していたコスタリカにおける事業に加え、グアテマラ、エクアドル、ボスニア・ヘルツェゴビナ向けODAの各1件。その受注額は総額約11億円。 先のコスタリカ向け約1800万円に加え、新たに約1530万円の使途不明金があることがわかった。 ●不正の本質は、海外における贈収賄か。証拠隠滅画策の可能性も 同記事を見ても、今ひとつ、わかりにくいという読者のために具体的に解説してみよう。 例えば、JICAがエクアドルにおけるダム建設のため、ODA資金を100億円出すとしよう。 しかし、高度な知識等がいるため、そのダム建設コンサルをわが国建設コンサル大手のPCIに対し、100億円のうちの5億円で頼んだとしよう。そして、PCIがそのうちの1億円分の仕事を現地企業に下請けに出したとする。否、書類上は少なくともそうなっていた。ところが、実際に現地企業に渡っていたのは5000万円だけで、差額5000万円がどこかに消えていたという感じ。 理由はいくつか考えられる。 一つはPCI側へのキック・バックだ。 特定の現地企業に仕事を回してやる代わりに、そのうちのいくらかを還流させる。 本紙が荒木代表を追及しているなかにも、このキック・バック疑惑がある。ただし、この疑惑は荒木氏が代表に就いている「パシフィックコンサルタンツ」の国内向け事業について。荒木代表はPCIの方の代表には就いていないから、これには無理がある。 そこで、次に考えられるのが、現地のODAプロジェクトに関わる相手国政府関係者への裏金捻出。 ODA事業なのに、なぜ、裏金がいるのか?  ODA事業は、本来は必要不可欠な事業だし、わが国側が資金援助しているという優位な立場や、わが国と現地企業の技術水準の格差などを思えば、贈収賄の入る余地はないと思うのは甘い。 わが国がODA事業を行う相手国はアジアや中南米など、失礼ながら、経済状態同様、モラルも低いところが多い。それに加え、ODA事業はいつの間にか、目的と手段が逆転し、A国には年間いくら、B国にはいくらと、予算枠みたいなものができてしまっているのが現状だ。そこで、PCIがわが国政府(外務省)と相手国の間を仲介し、今年はこのプロジェクトで行こう等と提案、露骨にいえば、“入れ知恵”をしているわけで、そうしたことから癒着が生まれる余地があるのだ。 いうまでもなく、ODA資金は我々国民の税金から出ているといっていい公金。そんな無駄なカネをかけるなら、ODA額を減らすべき。もし、これが日本国内での公共工事における不正なら、PCIから逮捕者が出てもおかしくない。また、指名停止ではなく取引停止、免許剥奪の可能性もあり得る。 実際、先に発覚したコスタリカ向けの1件では、PCI側は下請けに出した政府関連機関の役員になりすまし、少なくとも500万円分について領収書を偽造していたことが判明している。さらに、残りの約1800万円の使途不明金に関しては、カネの行方を追うにも、まだ問題の事業から5年しか経ていないのに、PCIは関係書類はすべて破棄したといっている。証拠隠滅の可能性さえあるのだ。 ●荒木代表の無責任さ こうしたことから、国会の委員会で、パシコンに対し、これまでの計8カ月の指名停止処分では甘いと野党議員に追及されていた。 それを受け、わが国政府もようやく重い腰を上げ、この5年間にPCIがJICAから受注した計51カ国、85件のODA事業についても調査したところ、今回、新たに少なくとも4件の不正があることが発覚したわけだ。 もっとも、PCIはJICAだけでなく、国際協力銀行(JBIC)からも多くのODA事業を受注している。 過去、5年間にこの両者から受けた事業は503件、総額約927億円。件数、規模とも、JBICの方が大きく、こちらでも同様の不正を働いている可能性は高い。当然ながら、こちらも徹底して調査すべきだ。 ところで、先のコスタリカ向けの不正に関しては、パシコン社内からこんな証言が出ている。 「荒木はPCIの親会社であるPCIG代表だから、当然ながら重い責任があり、JICAにお詫びに行っている。ところが、“自分は何も知らなかった。悪いのはすべてPCIの役員と社員だ!”と自分の責任回避に終始する発言をしたようです。しかも当初、荒木はPCI役員4名全員の首を切るといっていたのに、結果は2人残留、しかも新しい役員のなかにはコスタリカでの不正があった当時の監査役がいるんです」 なぜ、荒木代表はこんな無責任はことをしたのか。 これについては、社内では以下のような見方も出ている。 「荒木は若い時分、長年、イラクに赴任しており、あのフセイン大統領(当時)の2人の息子、ウダイ、クサイとは親友といってもいい仲でした。もちろん、あの国では贈収賄は当然でした。彼の最近の国内におけるファミリー企業の借金を会社のカネで補ったのではないかとの疑惑ですが、本来、想像すらできません。ですが、彼の場合にはあり得ます。贈収賄が当然の海外赴任経験が長かったことが大きく影響していると思います。それだけに、彼がPCI代表だった時代にも、いろんな不正の噂が流れました。そうした点を、むし返されたくないからかも知れません」…

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