プロフィール 投資歴26年、兼業投資家。投資で勝つために必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」を読む力、3に「ファンダメンタルズ分析」だと考えている。安定した資産形成を促すことを心がけている。
≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
先週金曜日の日経平均株価の終値は37,914円と、前稿比-1068円【-2.74%】(※前項比▲624→ +970→ ▲1194→ +2107→ +1142→ +190→ ▲2257→ +284→ +364→ +3038)となった。※2024年8月5日先物30,380円あり。
その後、NY時間を経て日経平均先物価格は38,070円と小幅高で戻ってきている。
ドル建て日経平均の終値は249.9ドル【-3.92%】(※前稿260.1→ 266.3ドル)となり2週連続! 円安の追い風がなかったら日経平均株価は、さらにメタメタだったということだ。
NYダウは、週間で-1162ドル安となる42,114ドル(※前稿比+412→ +511→ +40→ +250→ +669→ +1049→ ▲1218→ +388→ +515→ +1162)。※10月19日の43,325ドルが本年最高値。
ナスダック100は20,352Pと、前稿比+28P高(※前稿比+53→ +236→ +27→ +217→ +277→ +1093→ ▲1154→ ▲145→ +212→ +995→ +72→ ▲582)。2024年7月11日20,691Pが最高値。
27日に行われた衆議院議員選挙で、与党(自民・公明)の過半数(233議席)割れが確定的となった。これで石破首相は、戦後最短での引責辞任を発表するのか? 政局となる。海外投資家勢は政治の不透明感を極端に嫌う性質があり、こういった局面となると、大きな投資資金を入れてくる可能性はない。よってしばらく、特に大型株に関しては動意づきづらいだろうことが予想される。
ただ選挙戦前に週刊文春が予想した「選挙情勢レポート」の記事を読むと、自民党の獲得議席数は197議席となっており、かなりの部分織り込んでいることがわかる。
基本的に、残念なことではあるが週明けの日本株式市場は、土砂崩れを巻き込んだ巨大台風がやってきそうであるが、すぐに収まる可能性も非常に高い。ただそこからの反発も、現時点では考えにくいのが現状だ。
また先週の相場をみて、上記以外で気になっているのは、米国国債利回りの金利の急上昇である。現在の米国は、いまだ景気後退の可能性が見えないこと、11月5日の米国大統領選挙でトランプ氏が勝利することを折り込むかのように、米国債の金利の上昇が止まらない。
確かにトランプ氏が大統領となれば、国民受けを狙って財政を拡張するだろうから、米国債をジャンジャン発行し、金利上昇となるだろう。そして米国ファースト政策を掲げ、他国に関税をかけるであろうから再インフレの懸念もでてきて、政策金利は高めでないともたなくなるだろう。ようするにターミナルレート(中立金利)の上昇が予想されるのだ。
そして、これまでの米国株式市場は、米国10年債金利で4.2%を越えたあたりから、株価の調整がたびたび起こってきたものだが、今回はなぜか大きな波乱とはなっていない。これは米国の実質金利が、最近上がってきてはいるものの未だ1.95%で留まっていることが大きそうだ。基本的に100bs-160bsの間ならば株式に強気、160bs-200bsならば中立、200bs以上であると株式市場は弱含むとされている。この観点から本日以降、この実質金利の2%越えを睨みながら、投資資金を出し入れしていくことになるとも考えている。
しかし、先週の米国市場は、上記の要因があることで弱含みとなり推移したものの、9月19日のFOMCで利下げを決定したことから、NYダウが+1.7%となって以降、デイリーでの変動率は上下1%を越えていない。ようするに大きな資金は入ってこず、様子見姿勢の投資家が多いということなのだろう。
こういった投資家は、おそらく今週の米国企業決算の発表を待っているのだろう。今週は、10月29日(火)「アルファベット」社を皮切りに、GAFAMなどの主要どころの決算発表が出そろう予定だ。時価総額で考えてみると決算発表シーズンは、今週のGAFAMでほぼ終了だと言っても過言ではない。米国大統領選に関しても早晩、趨勢が決まりそうなこともあり、これは米国株式市場に関しては、11月5日の大統領選挙を前にし、早くも今週中には年末までの方向感が定まりそうな気配を感じている。