アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

東京都府中市の社会福祉法人の闇(不正入札、法人転売など疑惑続々と所轄庁の無視・隠ぺい)

 社会福祉法人は、社会福祉事業を行うことを目的として、社会福祉法の規定に基づき、所轄庁(法人の所在地等に応じ都道府県知事又は市長等)の認可を受けて設立された民間の非営利法人。
社会や地域に貢献する役割があり、高齢者や子ども、障害者などの支援をする公的役割を担っており、税制上の優遇措置もある。
特別養護老人ホーム(いわゆる特養)も、自治体ないし社会福祉法人が運営している。
にも拘わらず、本紙でもつい先日報じたように、女優・南野陽子の元夫らが横領や社会福祉法違反(贈収賄)で逮捕、有罪になるのは、こうした公益性に反する不適格者が、確実に入って来る補助金の流用目当てなどで紛れ込むからだ。
「特養自体、決して儲かる商売ではありません。ただし、特に地方の個人、企業など、社会的ステイタスを求めて経営権を高値でも譲って欲しいというケースはかなりあります。
私は理事をやっていたのですが、この転売の不正疑惑を知り、理事長を解任させました(2022年4月)。ところが、2カ月もしないうちに理事長に復帰、逆恨みされ、逆に理事を解任されました。そこで今、解任無効の訴訟をやっています」
 こう語るのは後藤智幸氏(横写真)。
後藤氏が解任されたのは2023年3月のこと。
解任された社会福祉法人は「広域福祉会」(府中市)。
同社会福祉法人は特別養護老人ホーム「府中若松苑」(冒頭写真。定員69名)を経営している。
後藤氏によれば、理事長は個人的に勝手に広域福祉会を売却しようとし、関係者からの通報でそれを知り解任しようとするや、すでにもらっていた手付金5000万円を返却。臨時理事会でその疑惑を追及したところ理事長は何ら弁明できず解任となったものの、その後、売却はなかったこととし、理事長に返り咲いたという。
それだけでも驚きだが、後藤氏によれば、そもそもこの理事長、広域福祉会設立時(2017年12月)から務めていたが、特養の資金は「自己資金に限り」となっているのに、同施設を設計・建設した設計士から1000万円、建設会社から3000万円の裏金を工事発注の見返りに取り(建設費は約13億円)自己資金の一部に。したがって、本来なら社会福祉法人の認可取り消しに該当し得るとも。
しかし、後藤氏がその事実を訴えたのは理事解任後であり、管轄の府中市に何度訴えても無視されているという。東京都にも訴えたが、それは府中市にと。
 なぜ、後藤氏がそんなことを知っているかというと、後藤氏も設立準備時からのメンバーで、当時、理事長に協力し、その4000万円の裏金入金のため、自分名義の銀行口座を作り提供したからだという。
横写真が、その通帳。
多摩信用金庫の後藤氏の普通預金通帳。確かに「新規」に作られ、4000万円が預けられたのが2017(令和29)年3月8日。同年12月、府中市より社会福祉法人の許可が下り、翌18年1月、その4000万円は「振替」で広域福祉会の口座へ。そして2月、工事入札(13社)があり、裏金を出した建設会社が落札したという。

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