アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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≪連載(394回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(9月9日~9月13日)

プロフィール 投資歴26年、兼業投資家。投資で勝つために必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」を読む力、3に「ファンダメンタルズ分析」だと考えている。安定した資産形成を促すことを心がけている。

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
先週金曜日の日経平均株価の終値は36,391円と、前稿比-2,257円(※前項+284→ +364→ +3038→ ▲885→ ▲1757→ ▲2397→ ▲1127→ +279→ +2329→ ▲13→ ▲219→ +134→ +196→ ▲158→ ▲141→ +558→ ▲7→ +301→ +867→ ▲2456→ +532→ ▲1377→ ▲519→ +2181→ ▲982→ ▲222→ +812→ +612→ +1590→ +739→ +407→ ▲212→ +386→ +2200→ +208→ +198(2023年12月4週))となった。※2024年8月5日先物30,380円あり。
その後なんと、これだけ先週下がったにも関わらず、そして米国の8月雇用統計の失業率が普通だったにも関わらず、日経平均先物9月限は35,140円と、金曜日終値から-1,251円と下がって引けている。結果、週間トータルで-3,508円の大幅安で終わっている。

NYダウは、週間で-1,218ドル安となる40,345ドル(※前稿比+388→ +515→ +1162→ ▲239→ ▲852→ +301→ +288→ +624→ +257→ ▲31→ +561→ ▲210→ +113→ ▲384→ ▲933)。本年最高値は8月30日の41,585ドルだったので抜いてきた。
ナスダック100は18,421Pと、前稿比-1,154P安(※前稿比▲145→ +212→ +995→ +72→ ▲582→ ▲499→ ▲809→ ▲61→ +710→ ▲18→ +40→ 659→ +464→ +271→ +262)。2024年7月11日20,691Pが最高値。
「レイバーデイ」明けで戻ってきた欧米投資家は、一斉に米国景気後退を予測し始めたようだ。

金曜日の雇用統計発表後に、これまで2年2ヵ月の間続いていた、米国10年債と2年債との逆イールドが、明確に順イールド(+0.62%乖離)になった。
この逆イールドが解消されてから景気後退(リセッション)となるのがこれまでの常であるため、株式市場関係者の警戒心が高まっても致し方ない展開ではある。しかし、直近の8月5日に大暴落が起こっていたのに、また急落するとは。筆者はけっこう驚いた。

ただ正式には、3ヵ月債は5.06%であり、こちらと10年債金利の逆イールドは解消されていない。本来、景気後退の定義は2年債+3ヵ月債の両方が順イールドに戻ったら! ということだったはず。よって次はこの逆イールド解消が注目を浴びそうだ。
そして、ひとたび景気後退に向かえば、いくらFRBが懸命に努力(利下げ)しようとも、景気後退は免れない。そう、利下げなんてものは効果の顕在化に時間がかかるため、FRBは景気後退期間をなるべく短くするために利下げをするものだから。
ただ今回はFRBの対応は早い。すでに8月22日のジャクソンホールで、パウエル議長は先回りするように「雇用者維持のためになんでもやる」といってファイティングポーズをとっている。まだ、景気後退していないこの時点で、利下げを開始すると言っているのだ。よって、ここから株式市場の混乱が止まらず、これ以上の大暴落がくる可能性は極めて低いと考えて良いだろう。

基本的に逆イールドの解消から、平均4ヵ月間(※リーマン時は7ヵ月後、コロナ時は6ヵ月後)たったくらいから景気後退となり、景気後退となれば、必ずその時点で株価は下がってきたが、実際に株価が下がるのは、まさにこの逆イールドの解消時から景気後退が確認された時期くらいまでの場合が多い? 市場はせっかちな性格のため、すぐに次の景気浮揚を感じ取って資金を市場に投下していくものだからだ。
しかし、株式市場の歴史に絶対はない。それどころか、一回でも同じような相場の流れを完全にトレースしたこともないらしい。よって今回、これまでのように100%景気後退に向かっている流れなのかも、疑ってみていくぐらいがちょうどいいかもしれない。まぁまずは「米国3ヵ月金利」と睨めっこではあるが、金曜日には逆イールドが拡がっているので。

そしてもう1つ、レイバー明けに戻ってきた投資家が考えたのは「生成AIバブル」の崩壊のようだ。米国の半導体SOX指数はこの1週間で-12.2%の大暴落となり、株式市場全体を押し下げている。もちろん、生成AI革命をひっさげる「NVDA」(エヌビディア)も暴落を免れず、週間で-11%安。現在の株価は102.8ドルだ。

ここからは前回、8月6日の暴落時の最安値が90.7ドルだったので、そろそろ2番底形成となるかに注目したい。と、わりと楽観的に考えているのも、同社の2026年1月度決算での予想EPS(※楽天証券)は、3.9ドル。まぁ、まだ伸ばしてきそうではあるものの、この数字で現在株価での予想PERをみると26.4倍程度まで下落してしまっている。正直、これが、世界最速で業績を伸ばした同社に対しての評価なのか!? と突っ込みたくなるレベルのPER。現在の株価をみると、2027年度の同社の利益は、ほぼ伸びない、と言っているような状況だ。

また子細に見ると、半導体株の暴落には特徴がある。特に株価が弱くなっているのは前工程の「製造装置」を販売する企業のようだ。国内では「東京エレクトロン」(8035)が該当するが、特に気になっているのは極端紫外線EUV露光装置を販売する、世界で唯一無二の「ASML」社の株価である。これは最先端の半導体製造装置を作る会社の需要が伸びないということだろうか!? これはまるで信じられないストーリーである。

さて、今週のストラテジーへと移りたい。

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