本紙でも既報のように、証券取引等監視委員会(SESC)に疑義があるとして調査されていることが発覚、株価が急落し、関係者の間で大騒ぎになっている「ピクセルカンパニーズ」(2743。東証スタンダード。東京都港区)。
その最大の疑義は、ピクセルの吉田弘明社長が、個人的な3億5000万円の返済に、ピクセルの資金を使ったのではないかという点だろう。
SESCの要請を受けたピクセルは7月5日に特別調査委員会を設置。最終報告書を11月12日に出す予定ということで、現状、この疑惑の内容はまったくというほどわからない。
それに、この3名から成る特別調査委員会のメンバーの1人が、本紙で数々の疑惑などを報じて来た公認会計士の能勢元氏(「東京フィナンシャルアドバイザーズ」代表)。もう一人が、能勢氏が“戦友”という大塚和成弁護士が所属する「OMM法律事務所」の弁護士。ちなみに、ピクセルは2022年にも疑義が出て調査委員会が設けられた、その時のメンバーの一人も能勢氏。また、委員長には大塚氏のOMM法律事務所と親しく、大塚氏同様、企業の経営権争奪戦によく登場する戸田裕典弁護士だった。こうした人選から、専門家の間で、こんなメンバーでキチンと調査できるのかとの疑問の声も出ている。
話を本題の3億5000万円の件、そのものに戻す。
ピクセルの吉田社長が個人的にこの3億5000万円を借りた相手が、「ユニテックス」(大阪市浪速区)であることは間違いない。
8月13日、ピクセルがIRした疑義の内容によれば、当時、ピクセルの子会社だった「ピクセルエステート」の取引先への前渡金(3億5000万円)が吉田社長の個人的借金返済に使われた疑義があるという。さらに、吉田社長のこの3億5000万円の個人的借金につきピクセルが連帯保証していたが、これがピクセルの取締役会の承認を得なかった疑義もあるのだが、その連帯保証した時期につき2019年9月としている。
下写真を見ていただきたい。
これは本紙が以前、入手していた吉田社長とユニテックスが巻いた3億5000万円の金銭消費貸借契約書と、セットの「合意書」だ。
その合意書には、ピクセルが連帯保証するとし、その合意書日付は2019年9月11日。3億5000万円の金額も同じなら、連帯保証時期もピタリ一致する。
さらに言えば、ピクセルエステートの取引先への前渡金が吉田社長の借金返済に流用された疑義があるわけだが、本紙は、ここでいう取引先とは「GOD」(旧「奥平土地開発」)なる会社で、ピクセルエステートが前渡金を払った名目は、当時、ピクセルが計画していた宮古島でのリゾートホテル開発計画で間違いないと思っている。
このリゾートホテル開発計画につきピクセルがHPでIRしたのは2020年6月24日。複数社との共同事業としていたが、その1社がGODだった。だが、翌21年5月17日、ピクセルはこの開発計画は、協業先の1社の履行拒絶のため、本計画用地の取得金の一部として支払っていた4億5500万円を貸倒引当金と計上するともIRしている。また、この1社に対する法的措置も視野に弁護士と検討中としている。
本紙の取材では、この1社もGODだ。
最終的な結論はSESCの調査結果を待つしかないが、本紙の取材では、ピクセルの吉田社長の個人的借金3億5000万円は、ピクセル子会社が宮古島でのリゾートホテル開発の前渡金としてGODに渡した4億5500万円の一部が流用された可能性があるということだ。
しかも、以下に詳細は述べるが、このGODのオーナーの奥平陸氏なる人物は、本紙既報のように稀有の詐欺師と言ってもいい人物で、反社会勢力との関わりもあるとされる。
また、3億5000万円をピクセルの吉田社長に貸したユニテックスの中務稔也代表は、本紙がお寺乗っ取り疑惑を報じたところスラップ(嫌がらせ)訴訟を起こして来るような人物。実業家を名乗っているが、この奥平氏と一緒に仕事をし、しかもそのなかには完全に不法な別の会社の乗っ取り疑惑もあった。そして、ユニテックスも、この頓挫した宮古島のリゾートホテル開発計画に関与していた。
ここからはあくまで推論だが、要するに、ピクセルの吉田社長、ユニテックスの中務代表、GODの奥平氏は、この宮古島リゾート開発をやるに当たり、そこでは巨額のカネが動くことから、そこに紛れ込ませて3億5000万円を返済(回収)した三位一体の共犯の疑義もあるのでないか!?