●ファミリー企業の闇金からの借金立替と交換に、パシコン関連会社による石垣島ホテル建設完成を保証 ともかく、冒頭に掲げた文書をジックリと見ていただきたい。 同文書の下のほうに、以下のような記述がある。 「上記処置に対応して、貴社建設中のホテルマリンシティ(沖縄県石垣市美埼町2番地の8)の事業が円滑に推進かつ完成する為に、弊社はゼネコン及び貴社に対して責任をもって工事完成保証する事を約す」 この記述の下には日付と共に、「荒木民生」との直筆のサインがされている。 この記述にある「ホテルマリンシティ」とは、現在、パシコンの関連会社が所有、営業している「イーストチャイナシーホテル」のことだ。 では、「上記処置に対応して」、つまり、荒木氏は、上記のことをやってくれれば、「イーストチャイナシーホテル」の建設工事がキチンと終わることを約束するといっているのだが、その交換条件とは何なのか? そう、荒木氏はパシコンの社業と並行し、密かに役員、大株主にまで就いていたファミリー企業「パシフィックテレコム」(破産)の債務を立て替えることだったのだ。 その額は、1億2950万円にも及ぶ。 しかも、追って詳細は述べるが、ここに記述されている「グローブ」、「協和信用」といった業者は皆、非合法な闇金だったのだ。一番下に「住吉福田総長」との記述があるが、これはわが国を代表する広域暴力団・住吉会のトップである福田晴瞭総長のことを指すと思われる。ただし、真相は福田総長の関係者を名乗る人物が貸したもので、福田総長自身はまったく関係ない。だが、闇金業者であるこからこそ、福田氏の名前を語ったりするわけだ。 ●特別背任罪の可能性も 以上のように、ODAを始め、仕事の大半が公共事業であるわが国を代表する建設コンサル企業トップが、息子が代表を務め、自身も役員に就任、大株主でもあったファミリー企業を潰したため、闇金から追い込みをかけられ、借金の立替を願い出、それはまったく私的な頼みなのに、交換に、石垣島におけるホテル建設の保証を約束したのだ。 この「確約書」のサイン欄には、「荒木民生」としか記されていないが、その後、実際にパシコンのグループ会社が同ホテルの建設コンサル等を引き受けているのだ。パシコンの荒木代表として約束、また、相手のファンタジーランドの山崎一郎代表も荒木氏が世界的な建設コンサル企業・パシコンのトップだったからこそ、闇金への立て替えを行ったのは明らか。 荒木氏は万一、この文書が発覚してもあくまで個人的に記したと言い逃れするため、パシコンの代表者という肩書きだけはさすがに書かなかったのかも知れない。だが、この文書中の「弊社はゼネコン及び貴社に対して責任をもって工事完成保証する事を約す」の「弊社」は、パシコンに決まっている。 これを公私混同と言わずして、何をいうのか。 その結果、パシコンが実際に損害を被っているなら、犯罪(特別背任罪など)の可能性は十分だろう。 こんな人物が、未だにトップの座に座っているのだ。 荒木代表がいまやるべきことは、保身のため、本紙・山岡等に訴訟を起こしたり、暴力団関係者や警察権力を使って記事潰しを画策するのでもなく、責任を取り、退任することである。…