●旧日本軍遺棄化学兵器処理施設、08年度までに約780億円 本紙・山岡等を、世界的建設コンサル会社「パシフィックコンサルタンツグループ」(代表・荒木民生)が、嫌がらせ訴訟提起したのは既報の通り。 だが、この訴訟提起、単に嫌がらせが目的ではない。わが国政府筋から内々に、「(本紙・山岡に書かれた)記事の疑惑が本当なら仕事は出せない。デタラメというなら、しかるべき処置(訴訟提起)を取れ」との結果だと、さる筋から情報提供があったので報告しておく。 その仕事とは、この5月15日朝刊で『読売新聞』が報じた記事の内容に関連する。興味のある方は、同記事を左に掲げておくのでご覧いただきたい。 全額日本政府負担で、中国各地に点在する旧日本軍が残していった化学兵器を処理するための施設を新設する見込み。その額は08年までに実に780億円にもなる見通しだという。 ●国際協力機構、国際協力銀行から指名停止6カ月も、開き直る荒木代表 一般にはほとんど知られていないが、現在、同社傘下の「パシフィックコンサルタンツインターナショナル」は国際協力機構、国際協力銀行から半年もの指名停止処分を受けている。その前にも同2カ月。本紙も04年12月22日に報じたように、インターナショナル社が受注した中米コスタリカ政府向けODA資金の内、約1800万円が使途不明というとんでもない不祥事を起こしたためだ。パシコンは国際協力機構から年間66件、計51億円以上の事業を受注済だったというから、この指名停止処分は本当に痛い。 そこに持って来て、中国でのこの約780億円もの利権でも締め出しを食らうとなると荒木代表の責任が問われるのは必至だ。 本紙・山岡の書いた記事は真実だから、荒木代表が裁判に勝てるわけがなく、やぶ蛇になるのは目に見えている。だが、記事に書かれたことが事実無根と公言している手前、訴えないことには辻褄が合わないということで、訴訟提起したということであるようだ。 それにしても驚くのは、前出の指名停止処分を受けたことに対し「パシフィックコンサルタンツ」が出している公式見解(左下に掲載)。 ここで解説しておくと、インターナショナル社は海外事業、パシフィックコンサルタンツは国内事業を行い、この主要2社を含むグループ会社を束ねる持ち株会社が、今回、訴訟提起して来たパシフィックコンサルタンツグループ。荒木氏は現在、この持ち株会社と国内向け事業を行うパシフィックコンサルタンツの両代表を務めている。 したがって、パシフィックコンサツタンツの公式見解を問われれば、確かに別会社だが、不祥事を起こしたインターナショナル社を傘下に置く持ち株会社の代表も荒木氏は務めているのだから、申し訳ないと謝って当然。 ところが、あから様にいえば、「関係ない」と開き直っているのだ。 こんな言い分が本当に世間に通じると思っているのだろうか。…