アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

『フラッシュ』記者等、異常な72H留置+10日勾留延長決定

●逮捕報道時の数々の嘘情報は警察のリーク? 本日(5月10日)発売の『フラッシュ』が、今回の住居侵入による記者とカメラマンの逮捕につき、2Pの検証記事(写真)を掲載している。 同記事によれば、逮捕時、近所の住人から「不法侵入だ!」といわれたことに対し、S記者が「警察の許可を取っている」と虚偽の返答をした旨の報道が一部であったが、逮捕前の編集部とのやり取り、弁護士との逮捕後の接見で得た情報により、そうした事実はないと報じている。同じく、近所の住民にS記者とカメラマンは取り押さえられたとの一部報道もあったが、これも事実ではないとしている。 それにしても、なぜ、こんな逮捕された側の心証を悪くするような報道がなされたのか。 常識的に考えれば、当局側がリークしたとしか思えない。 そして、同じマスコミが、当局側の思惑に乗って報道したのだとしたら、自らの首も締めているわけで、本当に嘆かわしいことだ。 さらに異常なのは、2人は逃げる気はないし、住所侵入した事実も素直に認めているのに、逮捕しただけでなく、10日間の勾留延長を県警は申請し、これを裁判所が認めている事実。 検証記事に登場する立正大学の桂敬一教授(メディア論)も、「理解できません。警察がそういう意思表示をしたんじゃないでしょうか。今後、事件取材をやりにくくなるでしょう」とコメントしている。 ●記者クラブに属さない雑誌媒体だからやられた 同じく検証記事において、朝日新聞OBのジャーナリスト・落合博実氏は、「こうした雑誌記者の取材現場での逮捕などが起きても『俺たちは大丈夫』と警察の発表どうりの記事を書いてしまう。仮に、同じことを大手新聞の記者がやっても逮捕されなかったでしょう」とコメントしているが、まさに同感だ。 すでに、本紙は「写真週刊誌『フラッシュ』記者等2名、住居侵入で逮捕の波紋」(5月7日)、「逮捕された『フラッシュ』記者は、パチスロ業界の闇を追っていた」(5月9日)なる記事を報じているが、そこでも触れたように、ささやかながらも、記者クラブに属している大手新聞社やテレビ局より、まだ雑誌媒体の方が権力批判をやっている分、当局が以前から隙あらばやってやろうと思っていた背景があったのは、まず間違いないだろう。加えて、S記者が以前から警察と癒着しているパチスロ業界の裏側を熱心に取材していた点も、決して的外れな指摘ではないだろう。 本紙・山岡も、00年始め、警察庁長官を辞任したばかりの関口祐弘氏(故人)のある疑惑を『噂の真相』の取材で追っていて、自宅取材に出向いた際、すでに関口氏は民間人であるにも拘わらず、自宅前には未だポリボックスがあり、玄関のベルを押すと、ポリボックス以外に、最寄りの署からも直ちに数人の警官がやって来て、関口氏が応対しないものだから、やむなく置手紙をポストに入れようとすると、何と「入れたら、チラシのポイ捨て禁止条例で逮捕する!」と脅され、すったもんだしたことがあった。 本当なら今回の件、早速、有志のマスコミ関係者や雑誌協会などが、勾留延期の決定に対し、抗議の声明などを発してしかるべきだと思うのだが、キチンとチェックしたわけではないが、どうやらそんな行動は一切ないようだ。当局に批判的報道も見当たらないことだし、すっかりマスコミ全体が去勢されてしまっている危機的状況であることだけは確かだろう。…

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