アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<12年ぶりの復活連載>元「フライデー」名物記者・新藤厚(右翼)の貧困記(生活保護老人のノスタルジックな日々)第8回「フェイスブックで食料乞い、孤独死防止」

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新藤厚 1951生まれ(73歳)
1971年 週刊誌記者
79年~84年 テレビレポーター (テレビ朝日・TBS)
84年~99年 「フライデー」記者
99年~2008年 信州で民宿経営
2013年より生活保護開始

季節は移ろう。里山の新緑も終わった。
水無月芒種のころは里山も緑が濃くなり初夏のすがたに変貌する。
林間では春ゼミが鳴き、水田では蛙の大合唱。まさに蛙鳴蝉噪そのままである。この時期、田舎は騒がしい。
どうでもいいがそこに滝の音が加わると老人の耳鳴りになる。老人のアタマがおかしいのは頭蓋内がそんな大騒ぎになっているからである。

内臓も病んでいるが筋肉関節関係も劣化がはげしくボロボロになった齢73の老体である。
最近は公園を散歩するだけで膝に劇痛がはしりステッキのお世話になっている。
それなのに膝サポーターを二重に巻き、腰痛ベルトをぎちぎちに締めて完全武装で山に出かける。どう考えても無謀である。年寄りのアポトーシスである。
団塊世代は遊ぶことに関してはしぶとい。堅忍不抜である。
今週も南相木村の日本二百名山・御座山(おぐらさん・2112米)を歩いてきた。
その名のとおり南佐久の神の座、ゴサインタンである。
登山口は気温7度。爽やかな朝の冷気のなかフィトンチットをあびてゆっくりと歩く。
痛む膝を騙しながら黙々と歩く。それでもたちまち乳酸が蓄積してヒラメ筋が悲鳴をあげる。
千米帯からうえ、目に眩いばかりの新緑はまさに絶佳、エクセレントである。この時期は雪解け水で沢の水量が豊富である。どこからか耳にとどく水音が心地よい。
アズマシャクナゲが咲いている。コイワカガミの群落も見事である。林床の山野草を愛でるのは山歩きのいちばんの愉しみである。
2時間半かかって息も絶え絶えに登頂。山頂からは西に八ヶ岳、東に浅間山の眺望。南アルプスは白い稜線が素晴らしい。
眼下に十国峠、ぶどう峠という上州との県境がある。
その峠道はかつて秩父困民党の困窮農民が逃走してきた道である。この山に登ると明治17年のあの窮民革命が偲ばれる。
その南の山並みが御巣鷹の尾根である。ここに40年前、JAL123便が墜落した。墜落現場の霊園には何度も行ったが御巣鷹山には生きているうちに行けなかった。

先週は東京の弘瀬正から食糧支援の厚情があった。
サバ缶、レトルトカレー、乾麺、菓子などが届いた。ありがたいことである。
弘瀬は民宿時代の客でまめに食糧など支援物資を送ってくれる貧困老人には貴重な友人である。
通信には今月、母堂が94歳で亡くなったとある。よく両親を連れて3人で遊びに来てくれた。
そのバアサンが生前最後に「少ないけどこれを一緒に送って」と言づけたという。
封筒には心づけの千円札が10枚入っていた。
本来ならばこちらが香典でも送るべきところを死者からの厚情をうける。
貧困というものの悲愁であろう。

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