アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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≪連載(382回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(6月10日~6月14日)

プロフィール 投資歴25年、兼業投資家。投資で勝つために必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」を読む力、3に「ファンダメンタルズ分析」だと考えている。安定した資産形成を促すことを心がけている。

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
先週金曜日の日経平均株価の終値は38,684円と、前稿比+196円(※前項▲158→ ▲141→ +558→ ▲7→ +301→ +867→ ▲2456→ +532→ ▲1377→ ▲519→ +2181→ ▲982→ ▲222→ +812→ +612→ +1590→ +739→ +407→ ▲212→ +386→ +2200→ +208→ +198(2023年12月4週))となった。

その夜の米国市場では、米国の「雇用統計」が発表されると、これまでの景気後退懸念はなんだったのか!? バカらしくなるほどのちゃぶ台返しが起こり米国金利が一斉に急上昇するも、日経平均先物は38,670円とヨコヨコで引けている。※本年高値は3月22日の41,088円。
NYダウは、週間で+113ドル高となる38,799ドル(※前稿比▲384→▲933→+491→+837→+436→+254→+3→▲921→▲1465→+893→+762→▲9→▲364→▲45→+504→▲44→+18→+545→+245→+271→+127→+80→+81)。本年最高値は5月21日の40,077ドル。
ナスダック100は19,001Pと、前稿比+464P高(※前稿比+271→+262→+385→+271→+172→+681→▲966→▲105→▲146→▲85→+531→▲210→▲285→+365→+252→▲276→+319→+222→+107→+481→+527→▲471→+154)。先週が史上最高値圏であった。2023年の高値は11月22日の高値16,212P。

さて、先週は月曜日に「ISM 5月製造業指数」が48.7と悪く出て、その後にJORTS雇用指数が806万人と直近で一番低い数字となり、水曜日には「ISM 5月サービス業指数」の中の「支払価格」という今後のインフレを予見できる数値が下がるなど、木曜日までは債券と株式にとって最高の展開となった。わかりやすく言うと、雇用の勢いが鈍ってきた中でインフレが収まる気配が強く漂った結果、米国の債券金利が低下し(債権高)、株式市場にもゴルディロックスムードを提供していたということだ。
ところが、週末金曜日に発表された「米国5月雇用統計」の、非農業者部門雇用者数が+27.2万人、そして平均時給がコンセンサスを上回る前年比+4.1%と発表されてしまうと、「雇用者数が伸びているし賃金も伸びてるのなら、インフレも収まるわけないよね!?」と、市場のムードは激変してしまった。

ただ、今回の雇用統計では重要な示唆が2つあったと筆者は考えている。
1つ目は、今年に入ってフルタイム就業者が減少に転じたこと。意外な話であるが、ようするに雇用統計の数字はパートタイマーの数だけが増えていっているというわけだ。これは過去の景気後退局面でもよく見られた現象のようだ。
もう1つは、失業率がとうとう4%と発表されたこと。有名なサームルールという不況入り指標に引っかかる寸前になったのだ。
この指標は、最低値から3ヵ月平均で+0.5%上昇すると、過去のいかなる経済状況であったとしても100%不況入りしてきた、恐ろしく正確な指標だ。今回は2023年1月に3.4%で底打ちし、現在は3ヶ月平均で+3.9%。ようするに次回の7月の雇用統計で失業率が+4.1%と発表されれば、この基準に抵触してしまう。すると景気後退入りしたのでは!? と大いに騒がれるだろう。

まぁ筆者としては、「もうすでに米国経済は景気後退入りしていた!」と、後から発表されても、全然驚くこともない。すでに、低所得者層が苦しく、クレジットカードの90日以上延滞率が10%越えの水準になっているというし、こちらも有名な景気後退指標である、「NYダウの輸送株指数」に関しても、年初来からの下落率が-8%となっている。これは、S&P株価指数が+15%であるにもかかわらず異常値だ。ようするに、様々な景気指標が米国経済の確実なる不況入りに関して警告を鳴らしているのだ。

そもそも、ここまで異常ともいえる粘り腰を発揮し、景気後退入りを跳ねつけてきた米国経済であったが、その背景には、米国は日本と違い実質賃金がきちんと増え、インフレ率を上回る給与水準であったことが挙げられよう。ただ、フルタイム労働者が前述のように減り続けている現状では、そろそろ耐えられなくなってきているということなのだろう。

またFRBの資料で、米国人の金融資産について記してあるものがあるが、具体的に、コロナ前の2020年3月から→ 2023年末までに、金融資産が32兆ドル増加しているとあった。32兆ドルは、1ドル156円換算で約5000兆円だ。これはすさまじい金融資産の増加であるが1人あたりに直すと50,000,000億円 ÷ 3億3500万人= 1493万円。確かにこれだけストックがあれば、なかなか景気後退しないわけだ。

いずれにせよ、もうそろそろ景気後退の動きとなってよいころだ。よって筆者は、ここから保有株をさらに売却してでも米国債を購入していくつもりだ。

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