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「元祖100円ライター」企業元豪華保養所物件が、悪徳金融会社に乗っ取られた!?

世界遺産にもなっている富士山の大展望が楽しめる、静岡県駿東郡小山町に問題の物件はある。
敷地面積は実に約1万2000坪。ただし内1万坪は日本庭園と原生林を組み合わせた庭園。残りの敷地に、地上10階地下1階の建物と3階建社員寮が建つという贅沢な作りだった。
ここは、そもそもは使い切りの「100円ライター」の元祖で、一時は国内ショア70%を誇り、ジャスダックに上場していたこともある「東海精器」(後に「東海」へ社名変更)の保養所だった。
もっとも、簡単な構造だったことから、東南アジアや中国の企業が安価な類似品を作り、また円高の影響もあり、東海は1994年倒産に。この保養所は2005年6月、台湾人社長A氏の手に渡り、リゾートホテルとして経営されていた。
だが、すでに代物弁済契約に基づき、その所有権は「エバーレンディング」(大阪市淀川区)なる金融会社に渡っており、現在、法務局で登記が書き替えられようとしている。
本紙では、つい最近も闇金「コスモ」の松村被告の件を取り上げたが、コスモと違って、エバー社は金融免許こそ持っているが、その実態は闇金と変わらないというのは、このリゾートホテルを取り上げられたA社長だ。
 A社長が、エバー社が貸金業の登録をしている財務省近畿財務局に出した「通知書」や「告訴状」下書きなどによれば、こういう理由からだ。
A社長は昨年3月28日、エバー社から6億5000万円を1年後返済の約束で借りた。この際、同社からは利息5525万円が先引きされるとともに、同社の関連会社へのアドバイザリー報酬としてさらに2145万円が控除され、実際にA社長が受け取ったのは5億7330万円に過ぎなかった。
このローン契約書の書類上の年利は8・5%(5525万円)。
だが、実際には「アドバイザリー報酬」名目でさらに2145万円を取っているから、実際の年利は11・8%とさらに高利。そして、先引きは闇金の常套手段だ。
もっとも、本紙がエバー社を「悪徳」と呼ぶ理由はこれだけではない。
A社長は1年後返済が困難と思い、今年3月8日、エバー社に出向いている。その際、「代物弁済契約書」を結ばせている。
さらに最終返済期限日の3月29日、この所有権を取られた物件の売却先捜しを24年5月21日までA社長に任せ、その所有権をA氏側が買い戻した上で売却していいが、その際、買戻し額は8億円とし、実際に売れた額との差額がある場合、その20%をエバー社に支払うとする「買戻し特約に関する合意書」も結ばせている。
A社長によれば、この物件価値は低くても38億円はするそうだ。
だとすれば、38億円で売れたとして、買戻しの8億円との差額は30億円。その2割は6億円。買戻しの8億円+6億円=14億円。
さらに最初のローンを組んだ際に先付けで取られた7670万円も加えるとエバー社は1年間、6億5000万円を貸しただけで、未返済の6億5000万円を差し引いても(14億7670万円-6億5000万円)=8億2670万円儲けたことになり、年利に換算すると127%になる。
それにしても、なぜA社長はこんな不利な「代物弁済契約書」、「買戻し特約に関する合意書」も結んだのか?

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