プロフィール 投資歴25年、兼業投資家。投資で勝つために必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」を読む力、3に「ファンダメンタルズ分析」だと考えている。安定した資産形成を促すことを心がけている。
≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
先週金曜日の日経平均株価の終値は40,369円と、前稿比-519円(※前項+2181→ ▲982→ ▲222→ +812→ +612→ +1590→ +739→ +407→ ▲212→ +386→ +2200→ +208→ +198(2023年12月4週))の下落となった。日経平均CFDは、米国市場ほか休場だったこともあり40,361円とほぼ動いていない。
直近安値は2023年10月4日に30,488円(※30,269円がCFD最安値)。2023年の高値は6月16日の34,003円。
NYダウは、週間で+893ドル高となる40,369ドル(※前稿比+762→▲9→▲364→▲45→+504→▲44→+18→+545→+245→+271→+127→+80→+81)で引けた。
ナスダック100は18,254Pと、前稿比-85P安(※前稿比+531→▲210→▲285→+365→+252→▲276→+319→+222→+107→+481→+527→▲471→+154)。2023年の高値は11月22日の高値16,212P。
大発会から現在までの世界株の上昇率をみると、日経平均株価指数は、主要指数としてはトップであり+21%となっているそうだ。次いで第2位は半導体SOX指数+20%となっているが、まさかエヌビディア要する、生成AIブームに沸きに沸く半導体指数よりも上がっているだなんて、これでは高所恐怖症の症状がでるのも当然だろう。我々投資家は、突如として巻き起こる、株式市場の気まぐれで傲慢な暴落を喰らいすぎてきたからだ。
そんな筆者も含めて、弱メンタルな投資家さんに耳寄りな情報があったので、今回はこちらから紹介したい。それは今年のような大上昇になった際のS&P株価指数の推移だ。
1950年以来、5ヵ月連続でS&P株価指数がプラスだったことは11回あった。そして、その後8ヵ月後のリターンは、なんと全勝である。平均リターンはここまでの上昇もあってか+11.9%となっているが、これ日経平均株価に直すと45,173円となる。武者リサーチの武者陵司氏や、万年強気予想のマネックスの広木隆氏ばりい強気予想ではないか!?
ところがまだある。1930年以来、5ヵ月連続でS&P株価指数がプラスだったことはなんと37回もあるらしいが、その後の12カ月後の勝率は32勝5敗。平均リターンはそこまでの上昇もあってか、+12%であるらしいが、これも前述のリターン率と同じくらい大きいものだ。
ちなみに、今回のように強烈な上昇だった場合(※今年の上昇率は歴史上でもマレだが)は7回中6回でさらに上昇しており、その後の12カ月後のリターンは平均+17%もあったらしい。こうなると、日経平均株価は47,232円となる。
また最後。角度を変えて、今回みたいに年初から3月末までにS&P株価指数が+5%以上になった場合は、過去に27回ある。その27回の年間リターンは平均20%を越えていた。しかも、ここが重要だが、1回もマイナスリターンになっていないとのことだ。
ようするに、強い相場ほど崩れづらいし、崩れないどころかさらに上昇していく。これが相場の常である。
さて今週のストラテジーへと移りたい。
今週は、週明けは日本の日銀短観からスタートし米国3月の雇用統計で週を終える。経済統計ウィークである。
ここまでのFRBの高金利政策の継続もあってか、特に低所得者を中心に弱い経済指標が目立つようになってきているので、仮に「景気に変調が確認される展開」になった場合は、すぐさま【IS米国債20年ヘッジ】(2621)に注目すべきだと考えている。
ちなみに、直近に筆者の友人が米国で野球を見にいったのだが、球場内での缶ビールが1本約19ドル(日本円で約3000円)だったらしく、もはや米国の低所得者が可哀そうになるレベルであると同時に、経済統計で悲鳴が聞こえる日も近いように思える。
さて、今週の指標で一番重要なのは「雇用統計」である。その発表の中でも「失業率」の数値には特に要注意だ。前回2月は3.9%であったが、サームルールという指標があり、失業率(横写真)の3カ月平均が、過去12カ月の最低値から0.5%上昇すると100%の確率でリセッションが始まってきた過去があるとのことだ。2023年5月に3.5%であったため、仮に4%に到達するとなると、1カ月だけだがサームルールに引っかかるので、市場は動揺を隠せなくなるだろう。今回の雇用統計のコンセンサスは前年同期比+3.8%となっているがいかに!?