アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

≪連載(365回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(2月5日~2月9日)

プロフィール 投資歴24年、兼業投資家。投資で勝つために必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」を読む力、3に「ファンダメンタルズ分析」だと考えている。安定した資産形成を促すことを心がけている。

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
先週金曜日の日経平均株価の終値は36,158円と、前稿比+407円(※前項▲212→ +386→ +2200→ +208→ +198(2023年12月4週))の上昇となった。
週末金曜日は、米国で強い雇用統計が発表されると日経平均CFDは、36,402円まで上昇している。
※1月23日(火)には、場中に現物で36,984円の上昇があった。直近安値は2023年10月4日に30,488円(※30,269円がCFD最安値)。2023年の高値は6月16日の34,003円。
TOPIX(東証1部全体)の週末金曜日の終値は、2,540Pと先週比+42P高。
NYダウは、週間で+545ドル高となる38,654ドル(※前稿比+245→+271→+127→+80→+81)。またもや史上最高値更新。
ナスダック100は17,643Pと、前稿比+222P高(※前稿比+107→+481→+527→▲471→+154)。史上最高値更新。2023年の高値は11月22日の高値16,212P。

さて先週は、月間で一番重要な経済指標である「米国1月雇用統計」と、「FOMC」、またマグニフィセント7の決算が出揃うという、大型材料が全部消化される週となった。
まずは、先週末金曜日に発表された「米国1月雇用統計」から振り返る。
なんと、非農業部門雇用者数は+35.3万人(※予想+18.7)で、平均時給は前年同期比+4.5%(※予想+4.1%)となったものだから、発表直後から米国債が一気に上昇。またドル高円安のリスクオフとなった。
ただ、発表内容をよくみると、今回はパートタイマーの数だけが増えて、正社員の数は減少している。これは確かにここまでの米国決算を見ているとうなずけるが、大手ハイテク企業を中心にリストラがけっこうあったようでしっくりくるところ。
また時給に関しては、鉱業などの偏った分野で突出して伸びていることがわかった。どうも、この集計時期は大寒波であったため、働けなくとも賃金がもらえたということ!?
このような情報が敷衍されるとともに株式は堅調モードを取り戻したわけだ。

しかし、今回の発表は月間で一番重要な経済指標である「米国雇用統計」の価値に疑念がでるものとなったように思う。だいたいこの指標は過去に遡っての修正が大きすぎるきらいもある。まぁ、結果的にこれを受けた株式市場は堅調モードになったわけで、その点は良かったが。

そして木曜日の朝に行われた「FOMC」。
ここでパウエル議長は力強く、3月の利下げを否定し、次回3月FOMCでは「QTについての詳細な議論をする」と述べた。まぁコンセンサスとしても、3月のFOMCでは「QTの縮小」を。5月1日のFOMCでは「利下げ」というのがコンセンサスだったはずで、ほぼほぼ予想通りといえるだろうか。

最後に「マグニフィセント7」の決算。はっきりいってテスラ社以外の6社の決算自体は良いものだった。ただ将来へのガイダンスに濃淡があり、メタ、マイクロソフト、アマゾンが良く、アップル、アルファベットは弱め、特にテスラに関してはピンチといったところだっただろうか!? これも戦前の予想通りといったところで、大きな波乱にはならなかった。

こうして、すべての材料が波乱なく消化できたわけだが、さて今週はどうなるだろうか!? ストラテジーへと移りたい。
今回の日米の決算発表を見るうえで、衝撃的だったのは米国「ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ」(※以下NYCB)、あおぞら銀行、そしてドイツ銀行の決算だ。
共通するのは、米国の商業用不動産で大ダメージを受けていること。そして、それを市場がまったく織り込めていなかったことだ。
特にNYCBは、貸倒金の引き当てをびっくりするくらい積み上げて赤字となった結果、決算翌日の株価が-40%と心臓発作が起きそうなくらい下げている。まぁ、同社は資産に占める商業用不動産の割合が63%と全米2位らしいのでこの結果は当然であり、ここまで株価に織り込まれていなかったことが逆に衝撃ではあるが。
※画像1入る

そして日本の「あおぞら銀行」(8304)の決算も、なかなにディープインパクトだった。
通期の経常利益予想が+310億円から、▲490億円と、800億円のダメージを負っている。当たり前だが、この発表を受けて株価は-34%安となったし、5%もの高配当株だったはずが、今後の配当は無配となったから株主は悲惨だ。
この理由として会社が出してきた情報によると、米国のオフィス向け不動産が壊滅的で、価格下落は2年程度続くことを想定し引き当てを324億円分するという内容だった。また、米国債の利上げにより米国債の損切りを410億円せざるをえなくなった、ということだ。
同社の米国商業用不動産(オフィス案件)の総額は、約2800億円であり、新たに324億円の追加担保が必要だというわけだ。会社資料を見ると、同社の保有する物件中38%が破綻懸念先となっており、ここから決算が発表される「地銀」「生保」「不動産」銘柄を中心に、こういった惨劇が繰り返されそうで怖い。

この続きを読むには有料購読の登録が必要です。

関連キーワード
検索

カテゴリ一覧