「INFORICH」(9338。東証グロース。東京都渋谷区)と聞いても、ピンと来る読者は少ないかも知れない。
上場したといっても、それはまだ昨年12月のことだ。
設立は2015年9月。
同社を創業し、社長として率いている秋山広宣氏(冒頭写真)は香港生まれの42歳。「日華」の名前でメジャーデビューもしている元ラッパーという変わり種だ。
スマホ充電器のシェアリングサービス「ChargeSPOT(チャージスポット)」(右写真)が事業の柱。
スマホ端末の消費電力が内蔵バッテリーの性能を上回り1日電力がもたないことがめずらしくないなか、スマホ補完充電のインフラ整備=ChargeSPOTで全国規模での展開をいち早く始めたのが同社(約4万台で日本一。今年6月現在)。好立地にChargeSPOTを設置し、約2600万人いるわが国の潜在利用者を開拓。2026年度に売上高190億円、営業利益45億円を達成するとしている。
ただし、ChargeSPOTを全国に設置するには先行投資が必要。また、ライバル会社も出現している。
そのため、赤字が続いており、20年12月期(連結)は売上高約5億6100万円、純利益は約19億3300万円の赤字。21年は16億4500万円、22億900万円の赤字。22年43億8900万円、12億4100万円の赤字。このように赤字続きだが、23年12月期は売上高約73億円、そして4000万円の黒字を予想している。
本紙がこのINFORICHに興味を持ったのは、先行投資の資金調達の過程で怪しい人脈に頼っているとの情報を得たからだ。