アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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≪連載(347回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(9月25日~9月29日)

プロフィール 投資歴24年、兼業投資家。投資で勝つために必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」を読む力、3に「ファンダメンタルズ分析」だと考えている。安定した資産形成を促すことを心がけている。

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
先週の日経平均株価の終値は32,402円と、前稿比-1,131円(※前項比+926→ ▲104→ +1087→ +173→ ▲1023→ +280→ ▲566→ +455→ ▲84→ +3→ ▲801→ +408→ ▲925→ +1441→+741→ +608→+108→ +1420→ +231→ +301→ +292→ +71→ +975→ ▲523→ +656→ +51→ ▲810→)の大幅安となった。
その後、米国市場は横ばい圏で引けたものの、日経平均CFDは下がりすぎた反動か、32,508円と小高く戻ってきている。※CFD高値は2023年6月16日の34,003円
TOPIX(東証1部全体)の週末金曜日の終値は、2,376Pと先週比-52P安。
米国のNYダウは、週間で-654ドル安となる33,964ドル(※前稿比+41→ ▲261→ +501→ ▲154→ ▲780→ +216→ ▲394→+231→ +719→ +774→ ▲673→ +681→ ▲572→+422→+114→+336→▲334→+127→▲212→▲77→+401→+211→+1036→+376→▲48→▲1481)。高値は8月2日35,679ドル。
ナスダック指数は、週間で-496P安となる13,212P(※前稿▲54→ ▲270→ +441→ +300→ ▲354→ ▲264→ ▲408→ +284→ ▲80→ +452→ ▲126→ +294→ ▲195→ +429→ +18→ +265→ +318→ +373→ +50→ +112→ ▲51→ +35→▲133→+397→+193→+492)。 直近最安値は2022年10月13日の10,089P。昨年11月22日の高値(16,212ポイント)比の最大下落率は、-37.8%のドローダウン。

やっぱり魔の9月といったところか。先週末には、日経平均株価が高値更新なんて雰囲気だったのが遠い昔のようだ。
直接的な原因は、先週木曜日早朝に行われたFOMC。ここで2024年ドットチャートが公表され、2024年末の政策金利の中央値は前回6月に4.6%であったものが、今回5.1%に変わってしまったことである。これには筆者も含めて投資家全体的にすごくイヤ~~な気分にされられてしまった。こうなってくると、とにもかくにも債券投資家さんは受難の時期が続きそうである。
そして株式のほうで問題なのは、米国のインフレを加味した、実質金利(※テクニカルの項の後述)。とうとう2%の大台を越え、2.06%となってしまっていることだろう。

さて、今週はここからストラテジーへと移りたい。
筆者は上記の問題がどれほど株式市場に影響を及ぼすのか、週末にアクセク調べてみた。
結果、実質金利が2%越えだった時代が2006年~2007年の間にあることがわかった。この時期はリーマンショックの前で、中国の経済成長が凄まじかったころで、米国でも不動産バブルが蔓延していた時代だ。
当時のFRB議長はグリーンスパン議長で、政策金利は1% → 5.25%に段階的に引き上げられていった。しかも短期間で1年ちょいで+5.25%も引き上げている。完全に、2023年のいま現在と同じ状況だ。
そして、重要なことは、この時代の実質金利は2%~2.7%で推移していたことだろう。

これだけ実質金利が高ければ、さぞかし株式市場はクラッシュしていただろうと思うが、その当時のS&P株価指数の変化をみると、2006年の大発会が1269P→ 2007年大納会が1468Pで、2年間で+15.7%とふつうに上昇しているのだ。よって、今回も金利だけで株式市場が壊れるほどのクラッシュが起こるとは思えない。

また話の方向性が変わるが、ゴールドマンサックス証券が先週に出したTOPIXのEPS予測であるが、なんと2023-2025年で+12%/+8%/+7%としており、3年間で合計+29.4%伸びると予測している。となればいま株を売ることは、バカげたことのように思えてくる。逆に米国S&PのEPS予測は2023-2024年で+1%/+5%と予測しており、欧州はもう少し低めなので、ほんとに日本株が優位になりそうだ。

さて先読みはこのくらいにして、具体的な今週の見立てをしたい。チャートだけ見ると日米ともに壊滅的になってしまったが、その分、危険水位までの距離も近く、逃げやすい位置だと感じている。

日本のTOPIXは終値2,376P。25日移動平均線をみると2,344Pであり、これを下回るとなんの支持線もなくなるので、確実なるデンジャーサインが灯ると考えたい。また先週金曜日の安値は2,355Pだった。これを下回ればウォーニングサインが鳴り響くといったとこだろう。

ちなみに、デンジャーサインとなる2,344P割れで、仮に逃げないで踏ん張った場合、もちろん今回は生き残れるかもしれないが、最終的にあなたはどこかの局面で必ず痛恨の一撃を喰らい、これまでの努力を無にすることになるだろう。それだけならまだしも、相場からの退場となってしまう恐れもある。そうならないためのデンジャーサインだと理解しておいてほしい。

NYダウも同様だ。こちらは近いところに最後の支持線がある。現在33,964ドルだが200日移動平均線は33,808ドルだ。
また米国市場はS&Pをみたほうが確実だ。現値が4,320Pであり、こちらも最後の支持線となる200日移動平均線は4,191Pである。また、前回の安値が8月18日の4,335Pであり、現在はそれを下抜けしてしまっているので、普通に考えれば早期にこれを奪回できなければデンジャーサインである。ようするに逃げるか、損切してポジションを軽くするか、ヘッジポジションを持てと言っているのである。

ナスダック指数は13,212Pだが、同じく8月18日に13,161Pの安値があった。これも距離が近いが、下回るなら撤退戦になるだろうと感じている。
SOX指数も3,365Pで、最後の支持線となる200日移動平均線が3,216Pだ。
ちなみに筆者は、先週のFOMC前日に「アドバンテスト」が上に動きそうな気配をみせたため飛び乗ってしまった。同社に興味を持ったのはジェトロが出している資料を見たからで、半導体全体の売上高は2022年5月のピークから長らく在庫調整で落ち続けてきたが、2023年5月になってようやく上向きかけているようだ。
また2023年6月くらいからは、世界的にわかりやすいほどの半導体工場の投資プロジェクトが始まっている。2024も中国と米国の半導体冷戦があるため、この流れは見渡す限りブルーオーシャンだと推察される。ようするに、こういう悪相場になっているが、半導体はそろそろ注目に値すると考えているのだ。

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