アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<復活!!>『田沢竜次の昭和カルチャー甦り』第105回「西武デパートは池袋の顔」

筆者・田沢竜次(フリーライター)。1953年東京生まれ。編集プロダクション勤務などを経て1983年からフリー。85年『月刊angle』連載を基に『東京グルメ通信・B級グルメの逆襲』(主婦と生活社)を書き下ろし、また文春文庫の「B級グルメ」シリーズでも活躍。B級グルメライターとして取材・執筆を続け今日にいたる。一方、大学の映画サークルで自主上映するほど映画にも精通。著書に「B級グルメ大当りガイド」「ニッポン映画戦後50年」など。

西武デパートのストライキは、新聞もテレビもトップニュース扱いでびっくりしたね。もう日本ではストなんて珍しい話になってしまったわけだ。半世紀前は大学だって学費値上げ反対のストライキはよくやってたし、春闘の頃は、国鉄(まだJRじゃないよ)も私鉄も2~3日ストップさせる交通ゼネストなんかも当たり前の行事だった。
それでも大手デパートのストは1962年以来だっていうんだから、天下の西武も深刻な事態だってことか。特に池袋西武というのは、池袋のシンボル的存在だった。こちとらは渋谷区代々木上原の生まれなのでデパートといえば、渋谷の東横(東急)デパートだった。これまた渋谷のシンボルだったのが今はもうない。
 小学校時代、何度か池袋に行ったことはあるんだけど、西武デパートの細長い建物はカッコよかった。西武の隣には丸物(のちのパルコの場所)というローカルな風情の地味なデパートがあり、西口の東武も存在感は薄く、池袋の主役は西武に決まりだったのだ。
デパートといえば、三越、高島屋、伊勢丹、松屋、松坂屋といった老舗系に、西武、東武、東急、小田急、京王、阪神、阪急といった私鉄系とに大きく分かれるが、私鉄系はその沿線と関係しているのが普通だ。ところが西武は、西武沿線でもない船橋(1967年~2018年)や東急の縄張りである渋谷(1968年~)にも進出していった。68年に船橋に越したとき、「へえ、ここに西武があるなんて」と感心したもんだよ。

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