アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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≪連載(346回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(9月19日~9月22日)

プロフィール 投資歴24年、兼業投資家。投資で勝つために必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」を読む力、3に「ファンダメンタルズ分析」だと考えている。安定した資産形成を促すことを心がけている。

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
先週の日経平均株価の終値は33,533円と、前稿比+926円(※前項比▲104→ +1087→ +173→ ▲1023→ +280→ ▲566→ +455→ ▲84→ +3→ ▲801→ +408→ ▲925→ +1441→+741→ +608→+108→ +1420→ +231→ +301→ +292→ +71→ +975→ ▲523→ +656→ +51→ ▲810→)の大幅上昇となった。
その後、米国はトリプルウィチングデーだったが弱く推移し、日経平均CFDは、33,282円と戻ってきている。※CFD高値は2023年6月16日の34,003円。TOPIX(東証1部全体)の週末金曜日の終値は、2,428Pと先週比+69P高い。
米国のNYダウは、週間で+41ドル高となる34,618ドル(※前稿比▲261→ +501→▲154→ ▲780→ +216→ ▲394→+231→ +719→ +774→ ▲673→ +681→ ▲572→+422→+114→+336→▲334→+127→▲212→▲77→+401→+211→+1036→+376→▲48→▲1481)。高値は8月2日35,679ドル。
ナスダック指数は、週間で-54P安となる13,708P(※前稿▲270→ +441→ +300→ ▲354→ ▲264→ ▲408→ +284→ ▲80→ +452→ ▲126→ +294→ ▲195→ +429→ +18→ +265→ +318→ +373→ +50→ +112→ ▲51→ +35→▲133→+397→+193→+492)。 直近最安値は2022年10月13日の10,089P。昨年11月22日の高値(16,212ポイント)比の最大下落率は、-37.8%のドローダウン。

先週は勢いよく上昇して、日経平均株価最高値更新に王手をかける形になったが、筆者は冷静に「さすがにそれはない!」と思い立ち、日経平均先物12月限を、少ない玉ながらも売っておいた。これはお守り代わりとし、よっぽどのことがなければリカクはせず(※8月安値31,275円などの異常値になれば別…)、年初来高値33,772円ラインを明確に越えてくるのなら気持ちよく損切りしてやるつもりだ。

さて、週を空けた祝日月曜日のPM15:00時点で、日経平均株価は33,000円台への定着が危ぶまれる。フラフラと頼りない動きになっている。
これはどうも、米国10年債利回りが4.3%以上になると株安モードとなり、下回ると、株高モードになっている気がするのだが。先週金曜日の米国時間は、これが一時4.413%まで上昇し、しっかり株価を抑えつける形となった。現在は4.353%で、幾分下がりはしたものの、依然分水嶺を上回っており予断は許さない位置だ。

さて、この米国10年債金利は今週9月21日(木)AM3:30に開催される、米国FOMCでのパウエル議長発言と、ドットチャートの公開に大きく左右される。今回は、政策金利の据え置きが98%まで折り込まれていることや、今後の利上げ水準には限界があるだろうという、どちらかというとハト派な雰囲気で市場は待っているため、まさかの!タカ派な結果が出てしまうと、魔の9月(※年間でワーストの騰落率)になってしまう可能性がある。筆者は深夜起床して、様子を見守る予定だ。ただ現時点では、米国FOMCも、日銀会合も、今週も波乱はなく通過するというのがかなり強い大方の予想のようで、そこまで警戒する必要もなさそうではあるが念のため。

逆に筆者が警戒しているのが、今週は米国のトリプルウィッチング明けだということ。1990年以降、トリプルウィッチング明けの週は79%の確率で下がり、下げ幅は平均で1%程度らしい。筆者はこのアノマリーを知らなかったが、ここまでの歴史を体感しており、いつもイヤーな気持ちとなる。今回は魔の9月であるため、もっと下げバイアスがかかりそうだ。

しかし、筆者は読者諸兄におかれては、ここで売ってはいけないと強くいいたい。
その一番の理由は、米国の金融政策である。
いまだ景況感の落ち込みをみせない米国経済。企業は製造業を中心に景況感が沈み続けているが、サービス業はアフターコロナもあって非常に力強い様子。これはようするにGDPの7割を占める個人消費がしっかりしていることに起因しているが、日を追うごとにノーランディングの確率が増しているのが現状だ。
そんな中、市場コンセンサスでは、FRBは2024年の夏前には利下げをする予測となっている。なにを言っているかというと、ようするに、仮に景気が鈍化しなくても(※インフレの鈍化は必須だが)、米国の中立金利は2.5%程度であるため、インフレさえ落ち着けば金利水準を引き下げるということだ。これは米国経済、延いては米国企業に強い追い風となる。

そして、この流れを折り込んでいるのだろうか? S&Pの予想EPSのコンセンサスは以下の画像のようになっている。
ここから見えるところ、2025年1Qまで、業績は力強く推移する見通しなのだ。そして米国企業に日本企業も負けてはいない。2023年4-6月期の法人企業統計が出たが、経常利益は前年同期比+4.3%の31.6兆円と発表されている。

もう1つ。ここから強気にいって良いと感じているのは、テクニカルの項で後述しているが、「裁定取引高」の推移を見てのことだ。8月22日から徐々に増え始め、8月末からは明確に増え始めており、9月13日現在まで1日も休まず増え続けている。ここで日経平均株価の推移をみて欲しい。けっこうボラタイルに動いているのが分かると思うが、この下げている過程でも裁定買い残は増えているのだ。

平たく言うとどの筋かわからないが、誰か先物を買っているので、裁定買いが入っているという理解で良いだろう。

そんな中、筆者が狙っているのは、大型ハイテクグロース株だ。その中でも半導体に関しては、米国と中国が半導体冷戦となっている以上、在庫調整さえ終われば、両国で投資合戦となるだろうからしてうまく拾いたい。

ただ、先週9月15日TSMCは「最先端半導体向け製造装置の納入を遅らせてほしいと取引メーカーに要請した」とロイターが伝えている。これは足元でまだ半導体の需要が下げ止まっていないから、製造装置はいならいということを示唆する。これはASMLの商品の事っぽいが…。
ちなみにSOX指数をみると先週末に3,476Pと、先週に100日線である3,492Pを下抜けてしまったばかりで、あとは200日線が3,200Pにあるだけだ。いまは下抜けたばかりだからしばらく様子見するのが定石だが、おそらく200日線にぶつかることなく底入れするのではと考えるのが普通で、投資の機会を伺いたい。

よって今週からは、半導体銘柄の底値を確認するために定点チェックを始める。チェックする銘柄は、オランダの最先端半導体製造装置「ASML」と、台湾の世界最大の半導体製造会社「TSML」、画像半導体で席巻する「エヌビディア」で、購入するのは半導体が動くか検査する「アドバンテスト」(6857)となる予定。ちなみに現在、「ASML」は596ドル、「TSML」は89ドル、「エヌビディア」は439ドルであり、同社だけは別格の動きだ。

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