プロフィール 投資歴24年、兼業投資家。投資で勝つために必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」を読む力、3に「ファンダメンタルズ分析」だと考えている。安定した資産形成を促すことを心がけている。
≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
日経平均株価の終値は32,759円と、前稿比+455円(※前項比▲84→ +3→ ▲801→ +408→ ▲925→ +1441→+741→ +608→+108→ +1420→ +231→ +301→ +292→ +71→ +975→ ▲523→ +656→ +51→ ▲810→)の3週ぶりの上昇となった。
ただ日経平均CFDは、33,119円と上昇している。※CFD高値は2023年6月16日の34,003円
TOPIX(東証1部全体)の週末金曜日の終値は、2,291Pと先週比+29P高。
米国のNYダウは、週間で+231ドル高となる35,459ドル(※前稿比+719→ +774→ ▲673→ +681→▲572→ +422→ +114→ +336→ ▲334→ +127→ ▲212→ ▲77→ +401→ +211→ +1036→+376→▲48→▲1481)と、ほぼほぼ年初来高値更新。
ナスダック指数は、週間で+284P高となる14,317P(※前稿▲80→ +452→ ▲126→ +294→ ▲195→ +429→ +18→ +265→ +318→ +373→ +50→ +112→ ▲51→ +35→▲133→ +397→ +193→ +492)とほぼ年初来高値。直近最安値は2022年10月13日の10,089P。昨年11月22日の高値(16,212ポイント)比の最大下落率は、-37.8%のドローダウン。
先週金曜日に行われた日銀会合は、金融政策としては現状維持(※長期金利の上限は0.5%)ながらも、長短金利(YCC)の変動幅を柔軟に運用する変則方針を発表した。これは金融引き締めや金融緩和のどちらでもなく、市場に長期金利の水準を委ねる方策といえるだろうか。これを受け、日本国債の10年物の金利は0.556%まで上昇している。
しかしこの政策が発表されたPM12:30頃、まず日経平均株価は+400円ほど上に行ったと思ったら、すぐさま日経平均株価は高値から-800円になるなど右往左往した。リスクヘッジのために日経平均の先物の売り玉を仕込もうかと準備していた筆者としては、市場のここまでの反応に単純にビックリしたのであるが!?
というのも、前日の深夜AM2:00に流れた憶測報道と同じ内容だったからだ。ようするに、事前のリーク報道通りなのになんでこんなに乱高下するのか? 理解できなかったのだ。そんなわけで、売り玉を保有するも、引け前に刈られて±0円に。
ただ、その夜PM10:00頃には、なんと日経平均株価指数先物は、32,800円の日中高値と引け値までを上回ってきたことから、筆者はドテンして日経平均先物9月限と、マザーズ先物9月限を購入して週を終えている。
さて、今週のストラテジーへと移りたい。
例年ならば、今週行われる米国の決算発表シーズンを抜けたら、夏枯れ相場となり、閑古鳥が鳴くほど動意がなくなり、その間のパフォーマンスは悪くなるのがアノマリーである。それでも筆者がここで買い転換したのは、今年が〝いつもと違う年になるかもしれない〟可能性を感じたからだ。
その理由の1つ目は、先週金曜日の大波乱で、株価指数が切り返した際の出来高である。
な、なんと金曜日は5兆7000億円の売買代金と、ようするにこんな決算シーズンにもかかわらず、圧倒的に買われて引けたのだ。トレーダーズWEBを見る限り、海外勢は先物では売っているように思えたが、最終的に指数が上に向かっているので、買い方が勝ったというわけだ。この時期にここまで買いが入ることが大相場の臭いを濃くさせている。
ただ、米国のS&P500指数を構成する企業群は、全体の51%までが2Q決算を終え、その結果、EPSに関しては前年同期比-7.3%とひどい有様だ。とはいえ事前コンセンサスが-8%程度であったため、まあ、そういった意味では許容範囲なのかもしれないが。とにかくここまで決算内容が悪く、おそらく今年の見通しについても真っ暗なものばかりにも関わらず、この世界を代表する株価指数【S&P指数】は買いに買われているのだ。
そして先週行われたFOMCの中で、パウエル議長は「FRBのスタッフで、年内の景気後退を予想する人間はいない」と公言している。これはよっぽどの確信がなければ、わざわざこんなことは言わないだろう。それにこんなこと言って経済の専門家軍団が大外しとなれば、沽券にかかわることなので、データ的にも相当な自信があるのだろう。
そういえば先週は米国の2QGDPも発表されていたが、1Qの+2%を越える、+2.4%成長になっていた。事前コンセンサスは+1.8%だったためサプライズとなっていたが、内訳を見るとGDPの7割を占める個人消費がやたら強かった。そして、今回2Qの予想をピッタリカンカンで当てたアトランタ連銀の予想では、この3Q(7-9月)はさらに強いものとなっている(※テクニカルの項に後述)。
企業利益に関しては、筆者にはピンとくるものがないが、雇用と経済は強いことに、筆者も疑いの余地はなく、見渡す限り2023年度に関しては景気後退の気配がないということなら、もう株式を買うしか、投資家としてはやることはないのであろう。