アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<主張>「木原事件――妻の取調官記者会見に出て感じたこと」

7月28日(金)午後1時から1時間少し、東京都千代田区の文藝春秋本社横「文春ギャラリー」で、佐藤誠・警視庁捜査1課刑事(当時。63。写真は身の危険があるということで、首から上の撮影は禁止されたことによる)の記者会見が行われた。木原誠二官房副長官の妻(=X子)を、前夫が亡くなった件で事情聴取した担当刑事だ。
本紙・山岡は、前夫・安田種雄氏の遺族3人の司法記者クラブでの会見に続き、この会見にも出て来た。
前日の27日(木)には、『週刊文春』が第4弾として、この佐藤氏の実名告発を13頁割いて報じていた。
会見は、冒頭、佐藤氏がなぜ実名を出して告発するに至ったか説明(「事件性」ありと断言。にも拘わらず、露木康浩警察庁長官が「事件性が認められない」と明らかにしたことに反発)。これが約10分で、後の約50分が質疑応答となり、約20名が質問した。
その質問内容だが、17年も前でまったくというほど情報がないなか、前日出た『週刊文春』記事の確認、さらに詳しい解説を求めるものがほとんどだった。
残念ながら、本紙・山岡は指名されなかったが、聞きたいことは最初から決まっていた。
第4弾記事の後半に、Z氏なる者が初めて登場している。
そして、佐藤氏のこんなコメントが載っている。
「Z氏について今ここで詳しく話すことはできないけど、俺はホシだと思っている。彼は、X子が絶対に庇わなければならない存在。Z氏は突発的に殺害した末、自殺偽装計画を立てたわけだ。でも、Yの痕跡も残しておき、もし自殺の線が崩れたときの“保険”までかけたというのが俺の見立てだ。そんな高度なこと、素人のX子一人では思いつかないだろう」。
『週刊文春』記事では、このZ氏の正体につき伏せている。
だが、該当し得るのは、どう考えてもX子の父親しかいない。
 そうなると、この事件、犯人は現職の警視庁警察官(当時)。そして、X子は犯人でなくても証拠隠滅などでやはり逮捕は必至となるのではないか?
『週刊文春』報道は、再捜査が中止になったのは木原氏の政治的圧力があったという。だが、現職警官が殺人犯なら、それに便乗して身内の逮捕を潰したかった思惑もあるのではないか?
したがって、細かい捜査内容ではなく、そういう根本的な疑義につき質問したかった
だが、この会見の仕切りも遺族会見の時同様、『週刊文春』の同じ編集者が行ったが、質疑応答前、「プライバシーに関する質問は控えて」旨、言われてしまった。
しかも、佐藤氏自身、Z氏がホシというのは、自分の個人的見立てに過ぎず、心のなかで思っていただけのことなので、Z氏犯人説が他の捜査員と共有されることはなかったと断言。
それにも拘わらず、『週刊文春』でZ氏を登場させたのは、それを入れないと、自分はX子の事情聴取をした約10日の2、3日目ですでにZ氏が犯人と思ったのに、そのままX子=犯人としておくのは心苦しいかのような旨、述べたのだった。
そんな理由だけで、『週刊文春』にしてもZ氏を登場させ、かなりのスペースを割くだろうか?
それに、『週刊文春』記事を見返してみると、Z氏につき、地の部分で、「もうひとりの重要参考人として注目していた第三者、Z氏」と記しているし、佐藤氏とは別の「捜査員が何度か足を運んだが、回数を重ねるごとに『俺はもう捜査に協力しない』と拒否するようになった」との佐藤氏のコメントを載せている。また、文春側が入手した捜査情報によれば、Z氏は18年10月12日にも聴取を拒否と。佐藤氏が頭のなかで考えるだけの犯人を、なぜ任意とはいえ事情聴取を何度も要請したのか? どう考えても、話が矛盾するのではないか。

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