アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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≪連載(336回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(6月26日~6月30日)

プロフィール 投資歴24年、兼業投資家。投資で勝つために必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」を読む力、3に「ファンダメンタルズ分析」だと考えている。安定した資産形成を促すことを心がけている。

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
日経平均株価の終値は32,781円と、前稿比-925円(※前項比+1441→+741→ +608→+108→ +1420→ +231→ +301→ +292→ +71→ +975→ ▲523→ +656→ +51→ ▲810→)の11週ぶりの下落となった。
ただ、夜に米国市場が崩れても比較的日経平均CFDは強く推移し、32,649円で引けている。※CFD高値は6月16日の34,003円
TOPIX(東証1部全体)の週末金曜日の終値は、2,265Pと先週比-35P安。
米国のNYダウは、週間で-572ドル安となる33,727ドル(※前稿比+422→ +114→ +336→ ▲334→ +127→ ▲212→ ▲77→ +401→ +211→ +1036→+376→▲48→▲1481)と下落。
ナスダック指数は、週間で-195P安となる13,493P(※前稿+429→ +18→ +265→ +318→ +373→ +50→ +112→ ▲51→ +35→▲133→ +397→ +193→ +492)。直近最安値は2022年10月13日の10,089P。昨年11月22日の高値(16,212ポイント)比の最大下落率は、-37.8%のドローダウン。

さて、土曜日はロシアの民間軍事会社「ワグネル」が一斉蜂起し、これってもしかして核兵器保有国での内戦になるの? と世界に緊張が走ったが、日曜日の午前には、早々と幕引きするという仰天ニュースがあった。しかし、これが本当に内戦となっていたら、不透明感を嫌う株式市場からして今週は大きく調整した可能性が高いだろう。まさに株式市場の一寸先は闇である。

さて、今週は早速、ストラテジーへと移りたい。
まずは上記のびっくりニュースに負けずとも劣らない海外投資家の動向から。
6月2週目は、-605億円(先物-6603億円、現物+5998億円)の11週ぶりの売り越しとなったのだが、この週の日経平均株価は+1,441円の上昇だったからもうわけわかんない状態だ。誰が買ったのか仔細に調べても、答えがわかりにくく。
となると単純に、「海外勢は先物を売って現物を買うという形で、先物のヘッジを外し、日本株に本腰を入れたんじゃないか」っていう解説記事の内容が、ある程度、的を射た事実なんだろう。ただ、これまでの海外勢は、現物も先物も買いまくって10週連続の上昇となり日経平均株価は+5,263円も上昇していたのだ(※先週の▲925円安を反映)から、これは買い疲れとみられても仕方ない。
そして、これだけ日本のみならず世界的に株高が起こった以上、6月末に予定されるリバランス売りが強烈になるのはわかりきったことだといえる。株が上がり過ぎたためGPIFは5兆1800億円、世界全体でも21兆円のリバランス需要があるということだ。
もちろん、そんなことはわかりきっていって、すでにある程度相場に織り込んでいるだろうが、今回は額が大きすぎる。JPモルガンは、株価を最大5%下げる要因になると発表したこともあり、当然これを狙って売り崩す勢力も出てくるだろうから、株式市場は軟調になる可能性が激高だ。

よって、今週の見通しは簡単。「日経平均株価は、今週下がります!」筆者は日経平均株価が32,000円割れを起こすと考えており、そのスタンスで今週は臨む予定である。

ただ、ここまで海外勢による10週連続の日本株買い越しを目の当たりにして、正直な感想を述べると、「これはまだ序盤戦である可能性が高い」と思う。
アベノミクスで海外勢が日本株の買い越しを始めたあと、どこまで相場が上昇したのか思い出してほしい。2013年のチャートなどを振り返ってみれば自明のことだろう。筆者は、当時を振り返ると、市場に買いの姿勢で参加しているだけで、お金が増えた記憶が鮮明に残っているほどだ。
また2015年半ば以降、海外勢は日本株を現物・先物合計で25兆円も売り越しだというから、これは買い余力がまだじゅうぶんにある、としか言いようがないだろう。
そして2024年度からは、NISA制度が大幅に拡充される。

日本人の個人金融資産は2000兆円程度あり、そのうち株式・債権の比率は14.5%の290兆円程度。これが2024年度に、この割合が控えめに20%にでも増えようものなら400兆円の規模となる。そう、これだけの資産が株式に乗ってくるならば、株式の価値の大きな変動が起こりそうだと感じている。いまの東証の時価総額は811兆円だから、インパクトは凄まじいだろう。

またアベノミクスを体感した筆者としては、プライム市場の出来高が、アベノミクス初期を上回る売買代金となっていることに気がつく。これは上記の流れを織り込みにきた流れの可能性があると感じている。
そして米中経済対立の本格派もあり、米国側についた欧州・アジア勢が中国株に投資できなくなり日本株を買っているという側面もあるのだろう。

ただ上記のように、総論的に2024年度前に日本株に強気でありたいと考える筆者としても、過去これまで6月下旬から9月上旬までの株式市場の体たらくっぷりを見てきてしまっていると、ここから株式市場のけっこうな暴落が起こったりしなければなかなかにエントリーしづらい。例年夏になると、嘘のように出来高がなくなり閑散相場になるのだから。
特に今回はすでに11週間連続で+16%も上昇している株式市場であるからして、ここからいますぐ買っていって報われるか? と問われても「?」としか言いようがない。

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