今月の月刊経済誌『ZAITEN』(7月号)で、「アクティビスト」が特集されている。
株式市場での「物言うファンド」であるシルチェスター、オアシス、村上ファンドなどが大株主で登場すると株価は急騰する有様だ。経済産業省では「公正な買収の在り方に関する研究会」が発足されており、4月28日に第8回研究会が開催された。そのなかで、東証が要請したPBR1倍を下回る企業数が他国と比べて多いと指摘。そして「M&Aが活用されることがこれまで以上に期待されている」と記している。
つまり、買収に国がお墨付きを与えるようなものだ。そして、買収が実行される場合には、対象会社の企業価値を向上させ……とある。しかし、ファンドが買収して企業価値が高まった会社がいったいどれだけあるのか? ほとんどは買収後、業績低迷しているではないか。マレリ(KKRグループ)、すかいらーく(ベインキャピタル)、東芝(日本産業パートナーズ)、ユニゾ(オアシス)などもそうだ。
多くは買収による混乱で業績が悪化し、倒産も。また、株券を借りて来て一時的に大株主となり議決権を行使する「エンプティ・ボーティング」も改めるべきだろう。これでは、ファンドが買収したい企業の片棒を担ぐケースが出て来るだろう。
買収したい企業A社の10%を保有しているB企業から、ファンドが株券を借りて新たな大株主としてA社に圧力をかけ、B社との合併を促すことも可能だ。
前出・研究会にはファンド側、買収阻止派の弁護士など双方がメンバーとなっているが、一般株主無視の方針は避けていただきたい。
さて、日本株市場は主力大型株相場で、新興株、仕手株投資家は総じてまったくというほど恩恵を受けず、評価損を抱えて動けない状態だろう。
そんななか、社名ロンダリングのハコモノである某企業を仕掛けるとの情報が入って来た。その企業にはアクセスジャーナル本編で何度か取り上げたことの元代議士が絡んでいた時期もあったし、その企業自体も経営争奪戦絡みで何度も取り上げたこともある。