プロフィール 投資歴24年、兼業投資家。投資で勝つために必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」を読む力、3に「ファンダメンタルズ分析」だと考えている。安定した資産形成を促すことを心がけている。
≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
日経平均株価の終値は31,524円と、前稿比+608円(※前項比+108→ +1420→ +231→ +301→ +292→ +71→ +975→ ▲523→ +656→ +51→ ▲810→)の上昇となった。※1月4日の年初来安値は25,662円。
ただ、週末金曜日は米国市場で雇用統計が発表され、日経平均CFDは31,950円と爆騰して引けている。前稿と同じ形だ。
TOPIX(東証1部全体)の週末金曜日の終値は、2,183Pと先週比+37P高。
米国のNYダウは、週間で+336ドル高となる33,763ドル(※前稿比▲334→ +127→ ▲212→ ▲77→ +401→ +211→ +1036→+376→▲48→▲1481)と、先週の下げを取り戻す上昇。
ナスダック指数は、週間で+265P高となる13,241P(※前稿+318→ +373→ +50→ +112→ ▲51→ +35→▲133→ +397→ +193→ +492)と上昇。直近最安値は2022年10月13日の10,089P。昨年11月22日の高値(16,212ポイント)比の最大下落率は-37.8%のドローダウン。
日経平均株価指数は、怒涛の8週連続の上昇で、この間の値上がり幅は+4,006円。その後も先週金曜日の米国市場の堅調さにつられるように日経平均CFDは上昇し、週明け月曜日は+4,400円の上昇からスタートとなりそうだ。
その後、土曜日にバイデン米国大統領は、連邦債務上限に関する法案に署名し、「財政責任法」が成立。米国のデフォルトは回避されている。さて、これで残すは格付け機関が米国債の格付けを引き下げるか否かだが、わりとスムーズにこの問題が片付いたため、この問題はもう終わったとみて良いだろう。
それでは今週のストラテジーへと移りたい。
先週金曜日の夜に、半導体SOX指数とナスダックが一時弱含んでことで、日経平均先物9月限を、果敢に新規でショートした筆者をあざ笑うかのように、日経平均株価の先物はなんと3万2000円に到達してしまった。※この売り玉はナンピンをしながら保有中
そしていま土曜になり相場を振り返っているのだが、これはどうも〝循環物色〟になっている気配だ。
その根拠はS&P500株価指数の騰落レシオをみたらわかる。6月2日で短期(5日)が165になっている。日本市場も、6月2日(金)は「東京エレクトロン」、「アドバンテスト」が下落する中で、やけに筆者のPFに並べている銘柄が強いなと思った記憶があったが。慌てて日経平均の6日騰落レシオをみるに、まだ87までしか上がってきていないが、これは強い相場付きになる気配を感じている。
ただ逆に、週明けの日経平均株価指数が、そのまま3万2000円台に留まるとは思っていない。基調が強いことはいかんともしがたいが、債務上限問題が終わったことで、いったんの材料出尽くしとなり、株式から一時的にリカクの形で資金が流出する可能性が大だとみている。これはようするに、先週と同じ流れである。
また、債務上限問題の解決となると、米国財務省は新規で国債を大量に発行するので、どう考えても株式への資金流入は一時的に減らざるをえない。ゴールドマンの試算によると1兆ドルが債権に流れるということらしいが、週明けはどうなることだろうか!? ただ、今週末の日本市場は、メジャーSQのため、ここまでの相場の流れからしても大崩れすることは考えづらいだろう。
しかし筆者が考えるに、いまの相場は本当に歪で、わかりづらい。米国の景気は、2022年後半から景気先行指数が製造業を中心に落ち込み続けているが、サービス業だけはアフターコロナ特需があり堅調。結果、全体の雇用をみると堅調な数値となっている。ただ、インフレの伸びほどは賃金が上がってこないため、米国民的には曇天の空模様といったところだろうか。
そして企業のEPS予測が失速してこないのは、リストラの加速が奏功していることだろう。ということは好調なサービス業に就業者が移行しない限り、リセッションに進む流れは不変。こんな高金利下では、一部のAI関連など投資しないと競争に負けてしまう分野以外は投資を控える流れだろうから、もうこれは2023年度後半のリセッションは待ったなしに思えてくるのだが、現在は株高が止まりそうにないパラノイアとなっている。
そもそもにおいて、現在FRBはQT(バランスシートの縮小)をやっている。ここまで市場に資金が流れ込みバブルになったのならば、これの逆の動きになれば、株価指数が下がらないと間尺に合わないのだが。