アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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≪連載(332回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(5月29日~6月2日)

プロフィール 投資歴24年、兼業投資家。投資で勝つために必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」を読む力、3に「ファンダメンタルズ分析」だと考えている。安定した資産形成を促すことを心がけている。

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
日経平均株価の終値は30,916円と、前稿比+108円(※前項比+1420→ +231→ +301→ +292→ +71→ +975→ ▲523→ +656→ +51→ ▲810→)の小幅上昇となった。※1月4日の年初来安値は25,662円。
しかし、週末金曜日、米国市場では半導体SOX指数が2日続けての大暴騰をみせ、日経平均CFDは31,501円と爆騰して引けている。
TOPIX(東証1部全体)の週末金曜日の終値は、2,146Pと先週比-16P安。
米国のNYダウは、週間で-334ドル安となる33,427ドル(※前稿比+127→ ▲212→ ▲77→ +401→ +211→ +1036→+376→▲48→▲1481)と下落。
ナスダック指数は、週間で+318P高となる12,976P(※前稿+373→ +50→ +112→ ▲51→ +35→▲133→ +397→ +193→ +492)と上昇。直近最安値は2022年10月13日の10,089P。昨年11月22日の高値(16,212ポイント)比の最大下落率は-37.8%のドローダウン。

日経平均株価指数は怒涛の7週連続の上昇で、この間の値上がりは+3,398円。ちなみに日経平均CFDは先週末にも上昇しており、日曜には債務上限問題にも進展があったことからこれのプラス分も加味すると+4,000円以上、上昇したこととなるだろう。
この上昇のけん引役は確実に、海外勢だ。日本株を7週連続の買い越し、この間の買い越し額は現物、先物合計で、+5兆6499億円に達している。これはアベノミクス初期のスタート時を上回る勢いで、もはや筆者の記憶にないぐらいの買い越し方をしていることになる。
ただ、日米ともに、一部の銘柄だけが指数を押し上げている形に変わりはない。

米国のS&P500指数は、年初来のパフォーマンスが+10%ちょっと。基本的にGAFAMやエヌビディア、テスラの上昇だけが強く(※特にアップルとマイクロソフトが圧倒的)、仮にこの7社がなかったとすると、残りの493社の年初来パフォーマンスはたったの+1%だという。
この現象は日本株も同じで、TOPIXコア30を中心に買われているのは半導体関連銘柄中心で、とくにグロース市場などは値下がりしてしまっている有様。さて、ここからどうなるのか!? 今週のストラテジーへと移りたい。

まず今週は、上下に大きく動く可能性があると考えています。そんな視点で、まずはここからの相場にネガティブだと思われる要項から記したい。
1つ目は、米国の「債務上限問題」。週末に、バイデン大統領とマッカーシー下院議長の間で、2025年までの時限的に債務上限を引き上げることに合意し、これを好感してサンデーダウは上昇している。

ただ、記者会見などでは、マッカーシー下院議長とバイデン大統領は、今後2年間の歳出を抑制するとだけ語っているようで、あとは双方に妥協に妥協を重ねて合意した形跡がみえる。まず、そんな合意案では、共和党のフリーダムコーカスは納得しないだろう。当初共和党は、10年間で4.5兆ドルの債務削減(10年間の伸び率は+1%)と、下院で可決されたこの案以外での合意は不可能だという見解だったはずだ。他方、民主党も、妥協をするなと強硬意見続出のようである。よって5月31日の投票で、すぐに債務上限問題が片付く可能性はほぼないとみたほうがいい。おそらくイエレン氏が出した6月5日(月)の期日まで揉めるに揉めてから、ギリのギリギリで債務上限が延長されるはずだ。
そしてそのやり方では、2011年に-16%の株価暴落を生んだ流れとさして変わらない。今回も3大格付け機関の1つであるフィッチが、米国債をネガティブに引き下げている。これは格下げではないのでさほど騒がれていないが、フィッチは米国議会が中期的な財政課題に取り組んでいないという理由でネガティブだとしているため、2年の先延ばしでしゃんしゃん合意をしようものなら米国債の格下げがまったなしである可能性は極めて高い。またS&Pもムーディーズもすでに引き下げを臭わせていることから、2011年と同じ穴のムジナとなる可能性がすごく高いのだ。

2つ目。ここまで凄まじい勢いで日本株を買っていたのはトレンドフォローのCTA(ヘジファンド)が中心だということが分かってきた。現在すでに2021年末の水準まで買い進んでいる可能性が高いらしく、さすがに買い余力はなく、ヘッジファンドだということもあり、売るときは買う時と同様一気なのだろう。出遅れていた中長期の機関投資家の買いは、景気後退懸念がこれだけあるなかでは厳しいという見方が常識的だろうか!?

最後3つ目。先週末の4月個人消費PCEデフレーターの結果、6月のFOMCの利上げ、ないしは7月の利上げ確率は80%以上となっている。ここまで、利上げ停止がコンセンサスだったため、さすがに筆者は、市場の大きな動揺が走ると考えて日経平均先物を売りまくったのだが。この件は無風であることの方がおかしいため遅れて、反応が出る可能性が大と考えている。

次はここから、相場にポジティブだと思われることを記す。

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