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<復活!!>『田沢竜次の昭和カルチャー甦り』第94回「YMOとスネークマンショー」

筆者・田沢竜次(フリーライター)。1953年東京生まれ。編集プロダクション勤務などを経て1983年からフリー。85年『月刊angle』連載を基に『東京グルメ通信・B級グルメの逆襲』(主婦と生活社)を書き下ろし、また文春文庫の「B級グルメ」シリーズでも活躍。B級グルメライターとして取材・執筆を続け今日にいたる。一方、大学の映画サークルで自主上映するほど映画にも精通。著書に「B級グルメ大当りガイド」「ニッポン映画戦後50年」など。

 坂本龍一が亡くなってまず思い出したのは、YMOのLP『増殖』だね。
1980年に発売されたもので、テクノポップの時代を象徴する記念碑的作品だ。発売早々に購入したが、面白いのは曲の合間に、「スネークマンショー」のギャグ、コントが挿入されていることだった。
「スネークマンショー」とは、1976年から80年にかけて放送されたTBSラジオの番組だ。最新のポップスとコントで構成された斬新な構成で、メンバーは伊武雅刀、小林克也、桑原茂一で、ともかくコントがおかしかったので、よく聴いていた。たとえば「警察だ」のコント(『増殖』にも収録)は、「警察だ!開けろ」とドンドンと叩く音。「だ~れ~」と間の抜けた応答が続く。何度も何度も「警察だ!ケイサツ!」と怒鳴るのだが、「ここは警察じゃないよ~」なんて外されちゃって、「俺が警察なんだ!」と逆上。しまいには泣き声になって「お願いだから、あけて~」なんて懇願するんだが、ただそれだけの話。YMOというと、反射的にこれを思い出す。
「急いで口を吸え」というのも傑作で、戦場らしき爆音や銃撃の音から始まり、隊長らしき人物が兵士たちに緊急対処法を教え込む。「毒ヘビに噛まれたら、傷口を切り裂いて、急いで口で吸え」と言うと、兵士たちが「急いで口で吸え」と唱和する。

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