アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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元全国最年少町長に「補助金」不正疑惑(京都府与謝野町)

 統一地方選の前半戦では、鈴木直道氏(右下写真。42)が北海道知事選で再選を果たしたのはご存じの通り。
鈴木氏、経済的理由で大学進学を断念。都職員として働きながら、法政大学2部を卒業。猪瀬直樹副知事(当時)の発案で北海道夕張市に派遣されたことを契機に、全国最年少の30歳1カ月で夕張市長に。2期務め、2019年4月には、これまた当時としては知事47名の中で最年少の38歳1カ月で北海道知事にと、ステップアップしている。
これに対し、2014年4月、当時としては全国最年少町長に32歳4カ月でなったのが山添藤真・与謝野町長(冒頭写真。41。現在3期目)。
財政破たんしていた夕張市ほどではないものの、京都府与謝野町も財政悪化が深刻ななか、町民は「地場産業の振興と若者の雇用を確保する」と選挙戦で主張した若き山添氏に期待したのだった。
だが、今の町民に、山添町長に対する当時の熱気は感じられない。
山添氏が与謝野町長に就いて約9年だが、借金返済の負担の重さを示す実質公債費比率は17・2%(21年決算)で府内最悪。そして、山添氏が公約していた地場産業の振興なども失敗に終わっているからだ。
与謝野町を含む京都府丹後地方は「丹後ちりめん」で知られる、わが国最大の絹織物産地。
 そこで山添氏、生糸の生産を町の新たな産業にしようと、桑の栽培と養蚕を行う「シルクプロジェクト」なるものを2016年に立ち上げた。以降、実際に活動したのは約3年で総額約4140万円の補助金をつぎ込んだが、事業化の目処が立たず、このプロジェクトは21年3月末に終了している。
「その他、クラフトビールをやるという計画もあったがダメ。サーフボードより簡単なサップ場を設け、その海側にカフェを作るとして建築家の隈研吾氏に設計を依頼(約800万円払い)しながら、何もしてないケースもあります。思いつきだけで計画性がない。設計図依頼にしても、なぜわざわざ有名な隈氏へなのか?
初当選した際の山添氏の公約に退職金はもらわないもありましたが、2度とももらっています。数千万円になるでしょう」(地元関係者)
鈴木氏にしても、「財政再建」を売りに北海道知事になってから、夕張市再建に貢献してなかったとの評も出ており、どだい政治未経験の若者に期待すること自体、そもそも無理なこととの見方もある。だが、現在、山添氏に出ている「補助金」不正疑惑は、それが事実なら、若輩者だからで済む話ではないだろう。

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