草津温泉で知られる群馬県草津町の新井祥子町議(当時)が、町長から町長室で2015年1月8日に性的暴行を受けたと19年11月に告白。「♯Me Too」運動の盛り上がりの時期と重なり、この告白は米ニューヨーク・タイムズ、英BBCなどでも取り上げられた。
ところが、新井被告と共に町長から名誉棄損で訴えられ、在宅起訴されているライターの初公判が2月16日にあったが、その場で、検察側は新井被告が性的暴行があった直前まで15分録音していたが、町長に気づかれそうになり録音を中止したといっていた音声記録が実は約1時間あったとしてその復元した音声を公開したが、それは会話している内容で、すなわち、性的暴行の事実はなく、ここに、新井被告の町長に性的暴行を受けたとの告発は虚偽であることが明らかになった。
本紙は週刊誌で21年10月に現地も取材し、双方の言い分などを聞いた結果、「温泉利権」を巡る政争のなか、新井被告がデッチ上げを行った可能性があるとの見方を、本紙Youtube版などで報じていたが、その見立て通りになった。
この結果を持って、むろん、女性の告発の多くがいかがわしいなどという気はさらさらない。だが、新井被告のケースでは、性的暴行があってから告発まで4年11カ月、告訴は実に7年後であり、また、現場は昼間の町長室、そして前述のように利権が絡んでいると見られ、支援するに当たっては、ただ本人の言い分を鵜呑みにするのではなく、それなりの検討も必要ではないか。
そして、新井被告の件では、本当に「温泉利権」の絡みであれば、彼女を虚偽告訴に誘導した黒幕がいる可能性があり、その真偽もキチンと検討されなければならないだろう。