アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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≪連載(317回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(2月6日~2月10日)

プロフィール 投資歴24年、兼業投資家。投資で勝つために必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」を読む力、3に「ファンダメンタルズ分析」だと考えている。安定した資産形成を促すことを心がけている。

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
先週末の日経平均株価の終値は27,509円と、前稿比+126円(※前項比+830→ +433→ +146→ ▲261→ ▲1292)の上昇だった。※1月4日には25,662円まで下落。

週末土曜日にかけては、雇用統計、ISM非製造業指数の強い動きを受けて、乱高下したもののなんとか日経平均CFDは27,637円まで上昇している。

TOPIX(東証1部全体)の週末金曜日の終値は、1,970Pと先週比-13P安と、3週連高後の先週は反落した。

米国のNYダウは、週間で-52ドル安となる33,926ドル(※前稿比+602→ ▲927→+672→ +428)と若干のマイナスに。

ナスダック指数は、週間で+385P高の12,007と上昇。2022年12月29日には10,207Pがあり、直近最安値は2022年10月13日の10,089P。昨年11月22日の高値(16,212ポイント)比の最大下落率は、-37.8%のドローダウン。

さて、先週金曜日に発表された米国雇用統計では、米国の雇用環境が強すぎることが身に染みるほど理解できた。予想コンセンサスは+18.6万人だったのにもかかわらず、結果は+51.7万人。失業率は3.6%予想だったものが3.4%である。テクノロジー業界はリストラがある程度進んでいるようだが、そんな事どこ吹く風レベルで、アフターコロナによる求人の勢いは強いようだ。

金曜日の米国株式市場では、この強すぎる「雇用統計」が発表されると右往左往しだし、筆者などは土曜日のAM5:00まで株価ボードと睨めっこの憂き目となった。結果的には小幅反落程度で済み重要な節目も下抜けなかった上に、日経平均先物に至っては円安効果で少し上にいったのだが、筆者は取引をしなかった。いやな予感を感じたからだ。

そもそも2月2日(木)に発表された米国JOLT求人件数が、+1101万件と出ていたことで、雇用統計に多少上振れが起こる可能性を、多くのトレーダーが理解していたことが大波乱を生まなかった要因となったのだろうか!?

ただ週末に詳細をつぶさにみると、JOLTは5ヵ月ぶりの高水準だったようで、失業者1人に1.9件の求人と過去最高レベルの状態になっていた。コロナ前は1人につき1.2件程度の求人だったというから、パウエル議長はインフレの長期化を恐れ、しばらくの間利上げの手を緩めることはないだろう。ただ、これだけ雇用が強ければ、そんなに深い景気後退が来るとも思えず。GS(ゴールドマンサックス)が直近で出した、ソフトランディング予想は、2023年のEPS予想を224ドルとしていたのでほぼ現在の位置である。相場は難しい局面を迎えているようだ。

さらに難しくしているのが外国人投資家の動向だ。これはテクニカルの項に後述しているが、1月4週目は+1兆3327億円の超大幅、日本株の買い越しとなっている。これは昨年末からの空売りの買い戻しである可能性は否めないが、単純に初動である可能性もかなりありそうだ。というのも、この海外勢の大幅買い越しに呼応するように、売っていたのは個人投資家だからだ。こちらもテクニカルの項に詳細を後述しているので確認されたし。通常、相場というものは、個人投資家を外国人投資家が喰っていくのが常で、これは歴史が証明している。

そして、買い方に有利な材料としては、米国でこれから確実に起こる決算発表後の自社株買いラッシュだろう。これがある以上、すぐに相場は崩れないと考えるのがよいのだろうか。よって今の段階での基本スタンスは、ホールドのスタンスをキープしたい。

米国も日本も、ここまでの決算発表をみるに、ほぼおおかたの予想通り。その上、ネガティブサプライズがあった「日本電産」、米国では「インテル」などが代表例だが、すぐに業績が戻る気配がない中で株価の上昇率はなかなかのものである。

ただ、そんな米国のS&Pの予想PERをみると18.52倍。ここから企業業績が急速に伸びる見立てがなければ、通常時は15~17倍程度で推移するもの。もう米国の株価はじゅうぶん高い水準にあるのだ。よって今後の見通しとしては米国株は崩れなければそれでよしなんだろう。その間に、日本株で値幅を取りたいものだ。

また今週のトピックスとして大きいイベントが2つある。

日本国内では、今週前半に日銀総裁人事の観測報道がでてくるはずだ(2月10日に国会で発表される可能性あり)。この人事しだいで、日経平均は大きく動く可能性がありそう。

また火曜日の深夜2時にはパウエル議長が発言する予定となっている。すべてはデータしだいだというパウエル議長であるから、株価に厳しい発言が出る可能性はかなりある。FOMCで急騰した米国株の動きにもおかんむりだろうし警戒したい。

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