アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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≪連載(95回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(8月20日~8月24日)&MY注目銘柄

■プロフィール 投資歴18年、出版社勤務の兼業投資家。投資に必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」、3に「ファンダ」だと考えており、勝ってもおごることなくたえず反省を繰り返し、安定して資産を増やす投資を心がけている。

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
 先週までに、散々世界の株価を下方向に揺さぶったトルコの「リラショック」。エルドアン大統領はイスラムの教えを忠実に守り、金利がたいへんお嫌いであることがじゅうぶん理解できた1週間であった。ただその後の株価の出直りで、トルコは新興国の一国にすぎず、この国のショックなどでは世界経済は揺るがないこともはっきりした。そもそも、21日(火)からトルコは犠牲祭(イスラム教の聖典)で8月下旬まで夏休み入り。今週の焦点はトルコではないだろう。
今週は、とにもかくにも22日~23日(木)に開催される「米中通商協議」がキモである。契機は16日(木)AM10:30に飛び出した「中国商務次官が貿易協議で訪米」のブルームバーグの報道。これで日経平均は垂直上げとなり、筆者もこの期を逃さず、景気敏感株の筆頭銘柄である「SUMCO(3436)」「コマツ(6301)」を成り買いした。ただ報道後、この協議は高官級ではなく実務者レベルであり、大きな進展は見込めないのではないか!? と市場は慎重となり、垂直上げ以降は横ばいの動きであったことも確かだ。
しかし、風向きは少しずつ貿易摩擦解消に吹き始める。17日になるとポツポツと追加報道が出はじめ「米中の通商担当者が貿易摩擦の解消に向けた交渉計画を立てている」や、ハセットCEA(大統領経済諮問委員会)委員長が「来週の中国との協議でポジティブなサインを公表する」などと、かなり前向きな発言が多くなり、ウォールストリートジャーナルによれば、「11月に米中首脳会談を模索している」と出たことで、事態の急展開が予想される状況に変わった。
11月とは、おそらく11月6日の米国中間選挙を狙った日程である。貿易戦争は明らかに中国に分が悪く、水面下の話し合いで、中国側が歩み寄りをみせた可能性が濃厚となってきたと捕らえてよいだろう。そうでなければ、トランプは中国側の交渉人を米国に呼ばないだろう。
 さて、その中国の代表的な株価指数である上海総合指数。先週末にはとうとう2年7ヶ月ぶりの安値となった7月6日の2,691元を下抜け、2,666元まで下げてしまった。これで2016年1月28日の「人民元切り下げショック」時の安値2,638が指呼の間に迫っており、これを下抜けると需給関係上、たいへんよろしくない状況となる。ただ、先週金曜日の上海株価指数をみると、「米中通商協議」が決まってもなお下げ続ける上海株は、中国側の降伏を示唆しているように思えてならない。中国はメンツを重んじる大国であり、米国にひれ伏すような形での決着はありえないとみていたが、もうなりふり構ってられなくなった可能性が高い。
また夏休み中であるトランプ大統領から17日、「意味深なツイートがあった」と市場関係者の間で話題になっている。「マネーは我々にとって重要なドルに流入している」と唐突につぶやき、ドル高容認と受け取れるようなツイートをしたのだ。これは、これまでトランプ大統領の言ってきた発言と180度異なる。筆者は即座に、これは、「中間選挙を迎えて、実りのない(支持率が上がらない)貿易戦争を完遂する政策を転換する可能性!?」と飛躍した想像を膨らませた。こう感じたのは、22日からの「米中通商協議」の報道がでた直後だったことも大きいだろう。
とにかく今週は「米中通商協議」が始まる22日(水)までは、景気敏感株を中心とした外需株に期待上げが予想される。上海指数の動きはここからつかめないが、仮に崩れたとしても日本株は崩れない、と考えるほうが自然となってきた。
さて、今週のストラテジーへと移りたい。先週末の日経平均株価の引け値は、22,270円。
日経平均先物をみると22,500円であるから、今週の始まり値はこれがベースとなるだろう。ただ現時点では22日(水)からの「米中通商会議」を前に、月曜日から上値が軽くなる可能性が濃厚である。よってまずは200日移動平均線である22,398円を越えてくるかが焦点となる。あとは、サマーバケーション中の海外勢にどこまでの買い意欲があるかが重要だ。
 下値の目処としては、22,200円割れ、と極めて現値に近いところに設定したい。おそらく今週、為替は落ち着いて円安の方向にジリ安となると思われるが、この前述のラインを割るとなれば、不測の事態を想定して、資産保全のポジションも積み上げる必要があると感じている。まだ日経平均株価にセリングマックスがあったわけではないため、月曜日から下がるようなら、ここまでの強気見通しは雲散霧消し、警戒感をむき出しにして臨みたい。それぐらい今の状況は分水嶺となっているといえる。また国債商品先物指数であるCRB指数を載せておく。

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