アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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「住友不動産」が、弱視老女に自宅明渡訴訟の不可解

 昨年10月23日、「住友不動産」(8830。東証1部。東京都新宿区)は、東京都港区虎ノ門3丁目に住む80歳近い老女Sサンを被告とする自宅明け渡し訴訟を提起した。
地下鉄・日比谷線「神谷町」駅から数分のこの一帯には複数の寺院があり、古い住宅がまだ残っている。Sサンの木造2階建ての自宅も、父親が「俊朝寺」の土地を借り今から61年も前に建てたものだ。
しかしここにも地上げの波が。住友不動産は12棟をまとめ、「虎ノ門3丁目計画」と名づけ、オフィスビルやマンション建設などを計画しているようだ。
Sサン自身が語る。
「7月には大通りから自宅への入り口に鉄柵が設けられ、街灯もなくなり、目が悪い私は大通りから自宅への路地の入り口がわからず(現在は写真と異なり、完全に鉄柵で覆われている)、通りがかりの人に入り口を聞く有様です。2年ほど前には隣の家だけ解体され、その振動で自宅が傾き、ガス漏れが心配なのでお風呂など使用できず、銭湯に通っています。8月初め、初めて住友不動産の方が突如、2人見られ、『8月8日から建物を解体するから!』とだけ通告して行きました。
 住友不動産は本当に悪い。なぜ、これまで私を一度も訪ねて来なかったんでしょうか。来れば、私が住んでいることがわかるのに」
冒頭で述べたように、訴訟中だから、さすがにいま現在、住友不動産はSサンの住み続けている自宅を強制的に解体する挙には出ていない。
しかしながら、隣の家だけ先に解体したり、鉄柵を設けるなどの行動はSサンへの嫌がらせとも思える。
何しろ、すでにSサンと同居していた家族はむろん、他の棟の入居者も全員引き払い、この一帯に住むのはSサンのみなのだ。
これだけ聞けば、Sサンだけがごねて退去を拒否しているように思われるかも知れない。しかし、この地上げに深く関わっていたその道のプロは住友不動産に大きな落ち度があると断言する。
もっとも、住友不動産の名誉のために、詳細を以下で解説する前に一言断っておくと、むろん、このSサンが今も住み続ける自宅は、登記簿を確認すると、2016年12月28日、売買により住友不動産に所有権移転している。前の所有者はSサンのご主人。そして、ご主人にはこの間、それなりの支払いがされている模様だ。
では、何が問題というのか?

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