東京・銀座クラブでの交遊費など私的流用疑惑だけでなく、自身が社長に就くまで無借金だったその企業の負債は何と60億円にもなり経営危機に――これでは、その責任を追及され昨年12月に社長を解任されたのは無理もないだろう。
だが、まさに事実は小説より奇なりで、先頭になって責任を問い、代わって社長に就いた者はわずか半月ほどで辞任、そして解任されたはずの前社長は今年1月末、再び社長に返り咲いた。
どこぞの零細企業、また創業者一族なら、そんなこともあるかも知れない。
だが、その企業は未上場ながら、昨年9月期で約43億円の年商があり、富山県内の電気メッキ業界ではトップクラスを誇る企業なのだ。また、一度解任された前社長は創業者一族でもない。
企業信用調査会社データによれば、正社員が約200名、派遣社員も入れると計約220名。その家族などまで入れれば1000人単位の者がその企業により生活を支えられているだろうから、単にそんなこともあるのか、では済まない。
実際、本紙に告発があり、その事実を知ったのだ。
地元では、怪文書も出ている模様だ。