●地元・下関事務所の窓ガラスを割られる
安倍晋三幹事長代理が、マスコミで注目されている。
NHK番組改編問題で、政治的圧力を掛けた疑惑の当事者としてであることはいうまでもない。
『朝日新聞』がこの疑惑をスクープしたのは、1月12日のことである。
そして、安倍氏の地元・山口県下関市内の事務所に投石があったのは13日から14日にかけての夜半のことだ。
JR下関駅から徒歩10分ほどのところにある事務所(写真)の玄関ドアと、裏口ドアのガラスが割られ、玄関ドアから1Mほど離れた室内に直径10センチほどの石が落ちていたことから、投石で割られたと見られている。
出勤して来た女性職員が気づき、通報を受けた下関署は、器物損壊の疑いで捜査を行っているという。
果たして、犯人は誰で、いかなる理由からなのか。
NHK番組改編問題の報道に触発されてのことなのか、それとも、この3月にも行われる下関市長選絡みなのか。
いずれにしろ、裏口ドアのガラスまで割っているところを見ると、単なる衝動やイタズラではなく、確信犯と見ていいのではないだろうか。
●約3年半前には火炎瓶事件も。ただし、本当は銃撃との説も
この投石事件報道を知った瞬間、本紙・山岡の脳裏に浮かんだのは、「本当に投石か? あるいは、銃撃ではないのか?」というものだったた。
この事務所、既報道では、00年6月にもターゲットとされ、その時は火炎瓶が投げ込まれたことになっている。
しかし、本当は銃撃だった可能性があるのだ。
銃撃では、まるで暴力団同士の抗争事件みたいでイメージが悪いということで、安倍事務所が下関署に根回しして火炎瓶事件ということで処理した可能性がある。しかも、そうした背景には、犯人に思い当たる節があり、しかも後ろめたいという事情があったとの有力証言も出ているのだ。
結論を先に言えば、前回の事件は、選挙絡みの可能性が高く、犯人としては暴力団関係者の名が上がったものの、結局、真相はうやむやにされてしまっている。
いずれにしろ、そこに浮かび上がって来たのは、中央政界でのクリーン・イメージとはかけ離れた、ダーディーな安倍氏のもう1つの素顔だった。
そこで、ご参考までに、山岡がメルマガ「東京アウトローズ」編集長時代、地元取材まで行って報じた、この火炎瓶事件の疑惑についての記事をここに再掲載する。03年2月10号、「安倍晋三官房副長官の地元・下関市における襲撃事件の闇」がそれである。
●やくざ関係者に集票を依頼するも、見返りの公共工事を回さなかったため?
安倍副長官の地元・山口県下関市内の自宅車庫に、何者かによって火炎瓶が投げ込まれたのは2000年6月17日深夜のことだった。 このことは全国紙でも当時、報道されている。だが、それから11日後、今度は同市内の安倍事務所が銃撃されていたことはほとんど知られていない。
もっとも、こちらの件は「中国新聞」が報じてはいる。しかし、その内容は自宅車庫同様、「火炎瓶」とされている。ところが、現場を見た地元記者は、こう証言する。
「事務所のガラスに素人でもわかる銃痕が2つ、ハッキリ残っていました。あれが火炎瓶のわけがない。さすがに銃撃されたとなると衝撃度が違いますから、自宅同様、火炎瓶ということで処理されたのでしょう」
この連続事件、東京では公安情報として、「拉致運動に邁進する安倍サンへ、朝鮮総連関係者が“警告”したもの」との見方もあると聞く。しかし、地元事情通の見方はまったく異なる。結論をいえば、中央やテレビでの顔とは異なり、地元では利権漁りを盛んにやっており、その挙句のトラブル説では、というのだ。
その大きなヒントになると思われるのが、安倍副長官以外も襲撃されていた事実。その人物とは、江島潔下関市長(写真)、平川助役、それに地元では“影の市長”ともいわれている疋田善丸氏。
「この3人の方は、各々が使用する車が狙われ、バットなどでフロントガラスが粉々にされるなどされたんです。安倍氏の自宅車庫と事務所が狙われた約2週間の間の犯行です」(地元事情通)