アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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ホームレス襲撃事件頻発を生む、行政の問題点

●自立支援法(11条)を根拠に、公園から追い出しを図る行政

 いまや全国にいるホームレスの数は、3万人を軽く超えているとみられる。
東京都内でも、少なくとも7?8000名が生活しているとみられる。その多くの者が都内の多くの公園で生活していたが、最近、追い出し、そこまでいかなくても新規ホームレス排除の動きが活発になっている。
その大きな“引き金”になっているのが02年8月に成立・施行された「ホームレスの自立支援等に関する特別処置法」(自立支援法)。これに基づき、東京都と23区は04年4月より5年間をめどに、全国に先駆けて緊急一時保護センターや自立支援センターを設置・活用した「自立支援システム」を実地するとしている。
もちろん、本紙・山岡もその実施自体を否定するわけではない。
しかし、ホームレスのなかには高齢者、病人が多い上、職歴・学歴の問題や矛盾などもあって、意欲はあっても、実際に自立出来る者はわずか。2割程度とも見られている。そして、本来、自立できない者を救済することを目的としている生活保護法も予算枠の問題、また、どんなに落ちぶれても生活保護は受けたくないという当人の気持ちの問題などもあってとても十分に機能していないのが実態だ。
それにも拘わらず、自立支援法には、「(公園その他公共の用に供する施設の)適正な利用が妨げられるときは(中略)当該施設の適正な利用を確保するために必要な処置をとるものとする」(11条)との一文が入っているのだ。
極論をいえば、この法律は、一般国民のホームレスは「怠け者」、「臭い!」との差別意識の下、「自立できるように援助してやっているのだから、公園から出ていけ。後は、野垂れ死にしようがどうなろうか知ったことではない。自己責任の問題だ」といっているのだ。
そして実際、左上写真の「申入書」に書かれているように、台東区などで有無をいわさぬ公園からの追い出しが始まっている。

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