アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<復活!!>『田沢竜次の昭和カルチャー甦り』第68回「藤子不二雄Aの最高傑作は」

筆者・田沢竜次(フリーライター)。1953年東京生まれ。編集プロダクション勤務などを経て1983年からフリー。85年『月刊angle』連載を基に『東京グルメ通信・B級グルメの逆襲』(主婦と生活社)を書き下ろし、また文春文庫の「B級グルメ」シリーズでも活躍。B級グルメライターとして取材・執筆を続け今日にいたる。一方、大学の映画サークルで自主上映するほど映画にも精通。著書に「B級グルメ大当りガイド」「ニッポン映画戦後50年」など。

 藤子不二雄A(我孫子素雄)が4月7日、自宅敷地内で亡くなっていたことは既報の通り(享年88)。マンガ史に残る天才の一人で、「忍者ハットリくん」「フータくん」「怪物くん」も面白かったが、特に好きだったのは「笑ウせぇるすまん」に代表されるダークなタッチのブラックユーモア&怪奇マンガだね。「ドラえもん」でおなじみの藤子・F・不二雄(藤本弘)は、ほのぼの児童マンガ路線で対照的だが、2人がまだ一緒に描いていた頃の「オバケのQ太郎」も結構好きだった(テレビアニメもね)。
 藤子不二雄Aのブラック系が凄いのは、基本がほのぼの系のタッチで、突如、リアリズムの不気味さを出すところだ。その怖さが存分に発揮された大傑作だと思うのが「ひっとらぁ伯父さん」である。これは1969年、『ビッグコミック』に読み切りで掲載されたもので、あまりの凄さにぶっ飛んでしまった。
物語はある町に、顔がヒットラーそっくりのオヤジが引っ越してくる。オヤジは町内会の清掃活動などマメにやり近所の評判もアップ。やがて子どもたちを集めてボランティア活動をやらせたり、次第に町内のリーダー的存在になってゆく。その展開は、ほのぼのホームドラマ調でオヤジも顔はヒトラー似とはいえ愛敬がある。

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