アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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≪連載(276回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(4月11日~4月15日)

プロフィール 投資歴23年、兼業投資家。投資で勝つために必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」を読む力、3に「ファンダメンタルズ分析」だと考えている。安定した資産形成を促すことを心がけている。

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
先週末の日経平均株価の終値は26,986円と、前稿比-680円(※前項比▲484→ +1323→ +1664→ ▲822→ ▲491→ ▲646→ ▲574→ +256→ +440→ ▲805→ ▲602→ ▲355→ ▲313円)の2週連続の下落となった。
TOPIX(東証1部全体)の週末金曜日の終値は、1,897Pと週間で-47P安(※前稿▲37→ +72→ +109→ ▲45→ ▲31→ ▲48→ ▲38→ +32→ +57→ ▲51→ ▲51→ ▲18→ +4)と、こちらも2週連続下落。
米国のNYダウは、週間で-43ドル安となる34,721ドル(※前稿比▲97→ +106→+1811→▲670→▲445→▲20→▲659→▲352→+365→+460→▲1647→▲320→▲106)と、小動き。
ナスダック指数は、週間で-550P安の13,711P。この指数だけ週間で-3.8%とやはり大きな下げだ。
さて、先週木曜日の早朝に「FOMCの議事要旨」が発表され、メンバー全員が予想を超える〝タカ派〟だということがはっきりした。この会合を終えた今のコンセンサスは、今後複数回のFOMCで+0.5%の利上げと、QE(資産圧縮8兆8600億ドル)は5月FOMCで、毎月950億ドル(11兆7600億円)、年間1兆1000億ドル規模だということである。これには「QEは毎月500億ドルがコンセンサスじゃなかったの!?? ようするにそれほどインフレを懸念しているんですね」といった感想がふさわしいだろう。もはやただならぬ気配しか感じない。
ただ米国の3月雇用統計をみると、足元の失業率は3.6%とかなりの低水準まで回復しており、このインフレ下であっても景気の落ち込みはいまのところ感じられない。ようするにFRBは、「この状況なら米国株式市場は大丈夫」だと考えている節がありそうだ。といいますか、もしかするとインフレの勢いが凄まじすぎて、もうやるしかないんだよな、っていうことなのかもしれない。どちらにせよ、FRBの金融引き締めが明確に始まったことは間違いない。
ちなみに、今後の雇用統計では失業率の4.2%がデッドライン(※株を持っていてはダメ)と言われているので、今後のこの数字を注視していきたい。
QEに関しては、上記の通りに実行されるなら実質的な利上げ効果が+2.5%は楽にありそうで、これに通常の利上げが加わるため、株式市場に確実にかつてないほどのダメージを与えるものだと考えるのが筋だろう。
画像をみてもらえればわかると思うが、QTの資産の増加幅と株価のラインは相似であり、そうなるとQE(資産圧縮)が始まればどうなるか予想するのはたやすい。
また、ここからの株式市場の動向を占ううえで、米国の実質金利は重要だと考えている。現在は-0.17%であるが、これがプラス圏になり上昇しだすと、株式市場に強い逆風が吹くこと請け合いだ。ちなみにコロナ前は1%台だった。
さて、今週のストラテジーへと移りたい。
今週の株式市場に臨むうえで、筆者が特に気になっているのは、米国市場の「イールドスプレッド」である。
「米国10年債金利」-「S&Pの益回り」で計算されるがすでに現在は-2.31。-2.5%から-2.8%になると株式の優位性がなくなり、債権投資のほうの魅力が増すと言われる。すでにもうこのラインを飛び越えてしまっており、逆にこのラインを飛び越えてしまうことはたいへんマレだ。というのも、これまでは上記のような展開ならば、株式は暴落しており、このマイナス幅が大きくなっていたのだ。そしてこの数値が-6%になると株式は底入れすると言われている(※コロナショック時が-6%ラインだった)。よって現在は完全なる危険水域に入っていると考えるべきで、充分すぎるほどの用心が必要だといいたい。
また先週発表された海外投資家の動向もたいへん気になるところ。3月5週目は、-8245億円(先物-1兆1907億円、現物+3662億円)の久々の大きな売り越しとなっている。この週、日経平均株価は週間で-484円程度ですんでいるが、逆にこれだけの売り越し額でこの程度の下落なのが珍しく、これは売りの号砲(スタート)であった可能性がある。特に注目すべきは、TOPIX(プライム)市場で-8566億円の売り越しだったこと。「アフターコロナなんてもうこない!」と言わんばかりの売りだったのは、何だか相場の異変を感じる。

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